“韓ドラ最恐ヴィラン”を怪演オム・ギジュンとは?「ペントハウス」などで悪役多数も元々はミュージカル界のトップスター
ある少女の死に関わった7人の悪党たちと彼らの罪を裁く一人の謎の男による壮絶なサバイバルを描いたドラマ「7人の脱出」(2023年)。同シリーズの続編を描いた「7人の脱出 season2―リベンジ―」の最終話が6月3日に配信され、長きにわたるサバイバルゲームが完結した。この壮絶な復讐(ふくしゅう)劇の中心人物であり、本シリーズのヴィランであるマシュー・リーを演じたのが俳優のオム・ギジュン。今回は彼のキャリアを振り返りながら、本作での活躍ぶりを紹介する。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】“憎たらしい表情”が天下一品!オム・ギジュン演じるマシュー・リー ■ミュージカルデビュー後、2006年にテレビドラマ界へ進出 現在48歳のギジュンは、1995年に舞台「リチャード三世」で俳優デビューし、数々のミュージカルで活躍してきた。2009年に初上演された韓国のヒットミュージカル「三銃士」で、初演から主人公ダルタニャン役を務めるなど、ミュージカル界のトップスターとして人気を博す。また2006年からは活動の幅を広げ、舞台で活躍する一方でテレビドラマにも積極的に出演し始める。 テレビドラマの製作現場を舞台にしたヒューマンドラマ「彼らが生きる世界」(2008年)では、視聴率のためには手段と方法を選ばない冷徹な監督ソン・ギュホを好演し、その年のKBS演技大賞助演男優賞を受賞するなど、テレビドラマ界でも着々とその名が知れ渡っていく。 ■“最恐”の悪役として光る演技力を発揮 「7人の脱出」シリーズでもそうだが、ギジュンといえば悪役に定評のある俳優の一人としても有名だ。リベンジサスペンスドラマ「被告人」(2017年)では性格が真逆の双子の兄弟チャ・ソノ(兄)とチャ・ミノ(弟)の一人二役を演じ分け、蛮行を繰り返すサイコパスな役柄に扮(ふん)した。 近年では、韓国で社会現象を巻き起こした大ヒットドラマシリーズ「ペントハウス」(2020-2021年)で、金も権力もある韓国経済界の頂点に君臨するチュ・ダンテを怪演。ゾッとする表情や繰り返される悪行など、数ある“マクチャンドラマ”の中でも歴代トップ級のインパクトを残す悪役を演じ切ったことで大きな話題に。2020年度のSBS演技大賞を総ナメにしたことで注目された本シリーズだが、その中でギジュンも最優秀演技賞を獲得した。 ■狂気に満ちた“悪党”マシューを怪演 そんな彼が出演する最新作「7人の脱出 season2―リベンジ―」では、多くの犯罪に手を染め、何もかもを手に入れようと暴走するマシュー役を見事に務めた。前シリーズでは、哀れな少女パン・ダミ(チョン・ラエル)の養父イ・フィソ(ミン・ヨンギ)が顔を整形してマシューに変貌し、娘の死に関わった7人に敵討ちをするといった展開が描かれていた。そんな中、それがすべて全てフェイクだと明らかになり、シーズン2でのマシューは、正真正銘の“悪党”として憎たらしい姿をあらわにしてきた。 殺人、脅迫、証拠隠滅、濡れ衣を着せるなど、やりたい放題のマシューだが、外見はとてもスマートな上に、用意周到な彼に泳がされ、蹂躙される7人を見ると、はらわたが煮えくり返る思いをした人も多いはず。 そんなマシューの大暴走を阻止しようと奮闘する7人との闘いや、あり得ないどんでん返しが最後の最後まで繰り広げられる展開も大いに視聴者を翻弄(ほんろう)した。 私生活では年内に結婚することを発表したギジュン。これまで多くの悪役を務めてきた彼の新境地とも言っていい“韓ドラ史上最恐ヴィラン”に挑戦したドラマ「7人の脱出 season2―リベンジ―」は、Leminoで全話独占配信中。 ◆文=suzuki