【高松宮記念】能力値1位のルガルが新スプリント王候補 穴は全ての条件が好転するマッドクール
雨の影響を受けやすいGⅠ
高松宮記念は過去10年で不良2回、重3回、稍重2回と雨の影響を受けることが多い。不良まで悪化すると外が伸びるが、重くらいなら内からでも結果が出ており、重馬場で行われた一昨年の高松宮記念は2番枠から終始最内を通ったナランフレグが優勝した。土曜日の中京は中目が伸びていたが、馬場が回復すればまた内が伸びるだろう。逆に悪化した場合には外が伸びるので、それも踏まえて最終結論を下したい。 【高松宮記念2024 推奨馬】1200mは連対率100%、ミスプロ系は単回率163%で血統◎!外国馬の見解もあり SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA)
能力値1~5位の紹介
【能力値1位 ルガル】 デビュー当初はダートを使われていたが、芝路線に転向して本格化。芝2戦目、不良馬場で行われた昨年の橘Sを5馬身差で圧勝し、3歳春の時点で古馬OPでも十分に通用する指数を記録した。その後は出遅れやレース中の不利が続いて善戦止まりだったが、前走のシルクロードSで重賞を初制覇した。 前走は4番枠から好スタートを決めると前に行き、最終的には2番手。3~4角では持ったまま逃げるテイエムスパーダに並びかけ、直線序盤では馬場状態の良い中目から同馬をかわして先頭に立った。ラスト1F地点で2馬身差だったリードを3馬身差まで広げてゴールした。 ルガルがシルクロードSで記録した指数は今回の出走馬の近2走のなかではNo.1。例年のスプリントGⅠ通用レベルの指数だった。前走の疲れという不安はあるが、馬場不問タイプで自在性もある。ここは新王者誕生に期待し、本命候補としたい。 【能力値2位 トウシンマカオ】 休養を挟んで目下2連勝中。前々走の京阪杯は17番枠からまずまずのスタートを切って、じわっと好位馬群の直後まで上がった。4角で馬場状態の良い外に出して追い出されると、直線序盤で3列目まで上がり、ラスト1Fで突き抜けて2着ルガルに2馬身差をつけて完勝した。本馬はエンジンが掛かってから堅実に伸びてくるタイプ。前走のオーシャンSでも15番枠から好スタートを決めてじわっと先行し、好位の外からしぶとく粘って完勝している。 ひと叩きされての良化があればチャンス大だが、今週の追い切りで一瞬ソラを使っており、疲れが残っている印象がある。またトウシンマカオは一昨年の京阪杯を走破タイム1分7秒2で優勝した一方、昨年の高松宮記念は不良馬場で大敗と高速決着が得意なタイプ。馬場が悪化すると良くないが、堅実な末脚は侮れない。 【能力値3位 ビッグシーザー】 中京芝1200mの2歳未勝利戦を1分7秒9の2歳レコードタイムで逃げ切り、そこから4連勝でマーガレットSを完勝。重賞の葵Sでも3着に善戦した。昨秋のセントウルS、オパールSで2桁着順に敗退した。その次走の京阪杯では外のヴァトレニに絡まれながら、馬場が悪化した最内を逃げて5着と健闘、前々走の淀短距離Sで久々に勝利し、完全復活を果たした。 前々走は7番枠から五分のスタート。二の脚で楽に2番手まで挽回して追走した。道中で逃げるカルネアサーダとの差を徐々に詰めて3角では同馬と2馬身差。3~4角で前のスペースを維持して最短距離を通り、4角でじわっと差を詰めて4角出口で外に出された。直線序盤で1馬身あったカルネアサーダとの差をすっと詰めて並びかけ、ラスト1Fで抜け出した。外からメイショウソラフネが迫ってきたが、寄せつけず1馬身半差で完勝した。 前走のオーシャンSはやや出遅れ、押して挽回を試みたが好位までは上がれず、中団中目を追走した。3~4角でトウシンマカオの後ろを狙って4角出口で外に出されると、直線序盤で3列目からじわじわ伸びて2列目まで上がり、ラスト1Fでも伸び続けて大接戦の2着争いをハナ差で制した。 ビッグシーザーは初勝利が好タイムでの逃げ切りだったせいか、トップクラスが相手となるとスタートも二の脚もそこまで速くはないのに、無理目に前の位置を取って終いが甘くなるレースが続いていた。しかし、前走は差す競馬で善戦。また昨春のセントウルSやオパールSでは揉まれ弱さを見せて大敗したが、前走で揉まれる競馬にも対応できた。これにより、鞍上の意識は「前に行かなくても大丈夫」となるはず。無理に前の位置を取っていく競馬では危ういが、内々で脚をタメる競馬なら一発ありそう。 【能力値4位 ママコチャ】 4走前のリステッドの安土城SでスプリントGⅠ通用レベルの指数で勝利した馬。同レースでは12番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚が速く楽に先行。内のプルパレイを行かせると、さらに内からコムストックロード、グルーヴィットが前を主張してきたので、控えて2列目の外を追走した。3~4角でもペースが上がらず、ブレーキ気味に外々を回り、4角でさらに外。直線序盤で先頭との差は1馬身あったが、グンと伸びて一気に先頭に立った。ラスト1Fでは楽々と後続を突き放して3馬身差で完勝した。 ママコチャは前で立ち回れて、直線でもうひと脚使えるのが魅力。昨秋のスプリンターズSでも6番枠からまずまずのスタートだったが、そこから押して好位の中目を追走した。3角手前で外に誘導し、4角で2頭分外から2番手のテイエムスパーダをかわして、先頭のジャスパークローネに半馬身差の2番手で直線へ。直線序盤でじわじわ伸びてラスト1Fでジャスパークローネを捉え、内から捌いて上がったマッドクールとの叩き合いをハナ差で制した。 スプリンターズSは内と前が有利な展開。これを3角手前で思い切って外に誘導し、ロスがありながら勝利した内容は良い。このスプリンターズSではママコチャを本命候補としたが、その理由は安土城SでGⅠ級の走りを見せたことと、休養明けの北九州記念を叩いてスプリンターズSを大目標にしていたことが理由。しかし、今回は体調を崩したようで前哨戦を使えなかったことが誤算。上位の能力があるのは確かだが、ぶっつけ本番となるぶん、割引だ。 【能力値5位 ウインマーベル】 昨年暮れの阪神C、今年2月の阪急杯と連勝した馬。前走は1番枠からまずまずのスタートだったが、そこから押して最内の好位まで挽回して我慢。道中は最内からじわっと上がって、3角では2列目の最内。3~4角で先頭のアサカラキングの後ろまで進出して、同馬から1馬身後ろの位置で直線へ。ラスト1Fでしぶとく伸びてアサカラキングを競り落とし、ハナ差で勝利した。 前走は緩みない流れ。それを前半で無理に位置を取りに行かず、最短距離からじわっと上がっていく、完璧な騎乗での勝利だった。本馬は前半が速かった前々走の阪神Cでも先行争いに絡んで行こうとしていたが、置かれて控える形になったように、芝1200mや1400mの前半が速い流れでは追走に苦労している。 芝1200mだと一昨年のスプリンターズS2着時のように、前崩れの展開にならないと厳しい。また今回は当時のスプリンターズSと比べると相手が手強い。ウインマーベルは一昨年のスプリンターズSで自己最高指数を記録した後のシルクロードSで7着に敗れたが、今回も当時と同じ自己最高指数を記録した後の一戦。当時よりも体がボリュームアップし、成長した形跡はあるが、良くない条件が重なったここは軽視したい。