母なる地球「慈しむ」賛歌、多彩に DEPAPEPE 三浦拓也が初のソロアルバム
2人組ギターインストルメンタルユニット「DEPAPEPE」(デパペペ)の三浦拓也が初のソロアルバム「Geoworld」(12曲)をリリースした。太古から多くの生命を育んできた母なる地球への賛歌。時に激しく、時に優しい慈しみを感じる作品群だ。 三浦拓也のソロアルバム「Geoworld」 【関連】「前向きなサンキューイヤーに」 渡辺美里デビュー39周年 「ほろ苦さも人生」詞に託し福岡市で8月ライブ 三浦は神戸市出身。2002年に徳岡慶也とDEPAPEPEを結成し、05年にメジャーデビューした。アジアやフランス、アメリカなどでも数多く公演しており、卓越したギターテクニックとメロディーセンスが高く評価されている。 ソロアルバムは、デビュー20周年を迎える来年に向けた企画の一環で制作した。小学生の頃に映画「ジュラシック・パーク」を見て恐竜の大ファンになって以来、自然科学に興味を持つようになった三浦。「地球の歴史や情景をアルバムで表現したかった」と言う。 1人で作り切ることを目標に、エレキギターやベースのほか、インドネシアの太鼓「グンダン」、工事現場の音や鳥の鳴き声などのフィールドレコーディングにも挑戦。アコースティックギターのイメージが強いDEPAPEPEとはひと味違う作品を生み出した。 1曲目の「Into the world」は、ロックギタリスト布袋寅泰を思わせるスリリングなエレキ。かと思えば5曲目の「イカロスfeat.NAOTO」では、湧き立つようにスパニッシュなアコギが響く。9曲目の「日々是好日」では、お湯が沸く「ポコポコ」という音でほっこりした気持ちになる。 ヤマハのギター好きで知られる三浦。愛用しているのは、ネックに恐竜ヴェロキラプトルの骨格を特注でデザインしたギターだ。「表現したい音を誠実に出してくれる。その繊細さは日本ならではだと思う」 アルバム10曲目の「故郷」には、そんな思いを込めた。聴いていると、縁側で日なたぼっこする年老いた母の姿が浮かぶ気がして優しく切ない気持ちになる。三浦は今後も、そんな日本人らしい繊細さをメロディーに込め、世界にアピールしていくつもりだ。