国連の委員会が日本政府を審査!? 谷口真由美「人権の理解深める機会に」
■男性と女性の機会は平等か この女性差別撤廃条約は、いわゆる機会の平等だけではなくて、実質的な平等を求めています。「みんな誰でもスタートラインに立たせてあげるよ」というのが機会の平等ですけれど、例えば丸腰で何も武器を持たない人と、武器を沢山備えた人が戦いをしたらどうなるかというと、基本的には武器を持った人が勝ちますよね。 その「武器を持っている」というのは、最近でいうとリソース=資源とか、自分たちが持っている知識であったりとか、経験値であったりとか、先輩から教えてもらったことということになるんですけれども、武器がある人とない人、誰でも試合に参加できますよと言われたら、丸腰の人も来ちゃうわけですよ。 でも、勝ち負けというのは割とはっきりしていますよね。だから、スタートラインに立つときに必要な武器や、必要な物というのは付けてから行かなきゃいけないし、その資源を付けてもらえるか、持たせてもらえるかどうかに男性と女性で差がありませんか? ということが考慮されなければならないというのが女性差別撤廃条約のいうところなんです。 例えば今、30%以上女性の方を管理職にしなきゃいけないという企業も増えてきました。これは、すでにたくさん女性が働いているにも関わらず、意思決定に男性ばかりが参加していたら、女性の意思が反映されないことがあるので、意思決定の場に女性を入れましょうということも言われているからです。 ■グローバル社会の中で問われる日本の姿勢 ジェンダーギャップ指数という言葉がニュースで出てきますよね。世界各国の男女格差を示すものですが、日本は今年146か国中118位でした。下から数えた方が早いんですよ。日本は、平均寿命も長かったり、初等教育も充実していたりして、割と生きていきやすい国なんですが、そこに「女性」という性別を入れただけで、ものすごく生きづらくなるというのがこのジェンダーギャップ指数なんですね。