橋本左内と横井小楠、新たな一面に光 福井市郷土歴博、学芸員が展示解説
福井県福井市立郷土歴史博物館で開かれている特別展「橋本左内と横井小楠」(福井新聞社共催)のギャラリートークが7月28日、同館であり、担当学芸員が左内と小楠の実像や展示の見どころを解説した。 特別展では、書簡を中心とする資料を通じて、激動の幕末期を代表する思想家として活躍した2人の偉人の足跡をたどっている。ギャラリートークは担当の学芸員が案内役を務め、約20人が参加した。 学芸員は、福井初公開の「橋本家累代系図」を紹介しながら、橋本家のルーツが清和天皇を祖とする清和源氏までさかのぼることを説明。「左内は秀才キャラと見られがちだが、橋本家は武の心、武士としての気概を強く持つ家でもあった。武士の末裔(まつえい)であるという意識が、国を直す『医者』として活躍していきたいという気持ちにつながったのでは」と解説した。 左内が福井藩の儒学者で恩師の吉田東篁(とうこう)に宛てた書簡では、小楠からの熊本留学の誘いと、体調を崩した福井の父への気遣いとで板挟みになっている様子が伝わるとし「18~19歳ごろ、多感な時期の青年左内の心揺れる姿が見て取れる。新たな発見がある資料」と述べた。参加した歴史ファンらは熱心にメモを取りながら説明に聞き入っていた。