医者・弁護士・会計士に〝ニュー・タイプ〟登場 従来の「マイナスをゼロに」から「ゼロをプラスにもっていく」業務へ
【マネー秘宝館】 「医者の不養生」という言葉があります。最近はこれが若干変化した「医者の過労」が増えているご様子。コロナは収まったものの、医者不足が解消されていない病院が多く、眠れないほどの残業を強いられている関係者が多いそうです。何ともお気の毒な話ですね。 お医者さんは病気というマイナス状態をゼロまで戻す仕事。「マイナスをゼロへ戻す」という意味では、私のような会計士や税理士の仕事もこれに似ています。本来は自分で行うべき決算や確定申告の業務を代行し、「数字嫌いの顧客の苦痛を取り除く」仕事を行っているわけですから。 そういえば、弁護士も元々は「人間関係やお金のトラブルを解決する」役割なので、これまた顧客の苦痛を取り除く「マイナスをゼロへ」の仕事ですね。 結局、医者・弁護士・会計士は「顧客の苦痛を取り除く」人たちという点で共通しています。苦痛の除去作業の手順や方法は、法律や制度によって事細かに定められており、それにのっとって行わねばなりません。行える人の「資格」も排他的に定められています。 これまで医者・弁護士・会計士といえば、難関資格の代表であり、その試験に合格すれば「食いっぱぐれない」と言われてきました。しかしこれら資格に独占的に認められていた業務の報酬が少しずつ下落したことで、昔のような左うちわ状態は消滅しています。 他の資格についてもそうですが、「資格を取っただけでは食えない」現実。それはそうでしょう、毎年毎年大勢の合格者が出ているわけですから、パイの奪い合いにもなるのは当然。 だからといって業界が沈没しているかといえばそうでもなく、新しい動きも出てきています。 先の医者・弁護士・会計士にもニュー・タイプが登場しており、それは従来の「マイナスをゼロに戻す」定型業務を離れ、新たに「ゼロをプラスにもっていく」ことを業務としています。医者でいえば治療よりも予防、弁護士でいえば、トラブル解決よりも事前回避、会計士でいえば資金ショートの治療より事前予防的コンサルです。 健康と経営、人間関係は〝治療〟より予防