広島・小園 初回に先制適時打 9月は打率・323と好調維持「現状がこれなのでもっと頑張れるように…」
「ヤクルト5-1広島」(19日、神宮球場) 前を向こう。広島再上昇への希望を託せるのはこの男しかいない。小園海斗内野手が初回に先制の適時打を含むマルチ安打をマーク。チームが10安打を放ちながら1得点に終わった中、得点圏打率・3387でリーグ4位につける若武者が貧打を打ち破るキーマンとなる。 初回は先頭・秋山が右前打で出塁すると、捕逸で二塁へ進塁した後、打席には小園。相手先発・吉村の直球を捉えたライナー性の鋭い当たりは中前で弾む適時打となった。「コンパクトにいけたので良かったです」。チームは敗北し、言葉数は少ない。それでも小園個人にスポットライトを当てると、5戦連続安打で、9月の月間打率は・323と好調を維持している。 1点を追う五回も1死一、二塁から初球をたたく右前打を放った。「入りで(ストライクが)来たので、そんなに考えることなく球の質だけ意識して打ちました」。得点には結びつかなかったものの一、二塁を抜く打球で満塁機を演出した。ここまで全試合に出場する今季。8月には「疲れている」と漏らすこともあったが、ここに来て邪念なくスイングできている点が頼もしい。 チームは苦しい。小園も「現状がこれなのでもっと頑張れるように…。チームの勝利に貢献できるようにやっていきたいです」と足元を見つめる。報われる日が来るまで、必死にバットを振り続ける。