堂安 律『俺しかいない』スペシャル授業~夢を追いかけている君へ~
アジア杯で活躍中のサッカー日本代表10番・堂安 律が、兄・憂と共に運営している、未来の日本代表10番を育成するフットボールスクール「NEXT10」と、堂安 律の初書籍『俺しかいない』のコラボイベントが、昨年、実現。小学3~6年生の約200名に向けて、"堂安先生"が行なったスペシャル授業の模様をお届けする。 【写真】厳選したエピソードを語る堂安 律 * * * 憂 初書籍『俺しかいない』で特に堂安 律らしさがギュッと詰まった、濃いエピソードを3つ厳選しました。律自身はこの授業で子供たちにどんなことを学んでほしい? 律 今すぐ理解できなくても、大人になってから、「堂安選手、あんなこと言ってたな」と思ってもらえる機会になったらいいなと思います。 小学生にとっては難しい話もあるかもしれないけど、中学生や高校生になって思い出してもらえたらいいかな。今日は厳しい世界の話もしていくので。 憂 まずはレッスン1。「人生初の挫折~小4でセレッソ大阪アカデミー不合格~」。これがサッカー人生で初めての挫折なの? 律 サッカーを始めてから一番大きな壁だった。特に悔しかったのは俺の知り合いがセレッソに受かったのに、俺だけ落ちたこと。一番わかりやすい敗北でイライラしたし、「なんで俺じゃないねん」って思った。 憂 そのときは落ち込んだ? 律 いや、落ち込んだというよりもムカついた。ここにいるNEXT10のみんなと同い年くらいやったから。みんなも負けたら、イライラするやん? ムカつくやん? 俺はそういう感情は絶対に出したほうがいいと思ってて。 ほかのサッカースクールの教え方は知らないし、「感情を抑えよう」「人に迷惑をかけない」って教えるところもあるかもしれないけど、小学生は迷惑をかけてなんぼやと俺は思ってる。だからコーチがいるわけだし、だから大人がいるわけだし。 負けて悔しかったら泣いてもいい。暴力はアカンけど、イライラしたら、「ムカつく」って声に出していい。とにかく感情を出していいと思う。昔から俺は感情をむき出しにしていたし、今でも感情むき出しでやっているけど(笑)、みんなにも大事にしてほしいかな。 憂 落ち込む時間はもったいないもんな。まあ、落ち込むことも大事かもしれないけど、落ち込みながらも、一生懸命やらなきゃいけない。 律 俺は練習試合でも負けたら泣いて、レフェリーに怒りに行ってたから。みんなもその1試合にかける思いとかは持ってほしいかな。 憂 律はホンマに小学生の頃から審判に怒りに行ったりしてたからな。アカンことかもしれないけど、やっぱりそれくらいの気持ちは大事だと思う。ちょうどみんなも小3、小4、小5、小6でセレクションに受かったり、落ちたりしていると思うけど、律はその当時、どんな思いでサッカーをしていた? 律 セレッソを見返す。それだけ。小4で落ちたから、ジュニアユースに上がるタイミングでセレッソから声をかけてもらって断る、ということだけを考えてた。「俺を落とした人を絶対に見返してやる」というモチベーションで小学生の頃はずっとサッカーをしていたかな。 憂 実際にセレッソからオファーは来ましたか? 律 はい。速攻で断りました。