J3富山は首位の大宮に辛くも引き分け…再三の決定機に決められず
◆明治安田生命J3リーグ 第17節 富山1-1大宮(16日、富山県総合運動公園陸上競技場) カターレ富山は、1-1で首位の大宮アルディージャに引き分けた。前半から押し気味に進め、何度も決定機を作ったが、後半37分に元カターレで大宮のMFアルトゥール・シルバ(29)が先制。同43分には途中出場のFW碓井聖生(22)が同点ゴールを挙げ、辛くも引き分けに持ち込んだ。気温が30度を超える中、死力を尽くし、終了のホイッスルが鳴り響くと、ピッチに倒れ込む選手も。先制、逆転のチャンスも多かっただけに、選手たちの疲労感は大きかった。小田切道治監督は「連戦が続いているが、強度を保って、チャレンジできた。押し込まれたシーンは耐えきれずに下がってしまったが、失点後も気持ちを落とさず、泥臭くゴールを奪えており、一定の成果はあると思っています」と振り返った。 J1チームとの対戦で大きな自信をつかんだ。ルヴァンカップではJ1神戸にPK戦で勝利し、J1札幌には1-1、1-2のスコアを残した。12日の天皇杯2回戦ではJ1神戸に0-2で敗れたが、格上チームとの連戦で貴重な経験を積んだ。碓井は「J1と対戦し、前線からのプレスや後ろからのビルドアップもできることが分かった。試合前には積極的に行こうと話し合いました」と、この日も奮起。首位の大宮を相手に、守備では速いプレスとカバーでボールを奪い、落ち着いたパス回しで攻撃を組み立てた。 シュート数は大宮の6本に対して富山は13本、CK数でも大宮の2本に対し、富山は12本と圧倒した。課題はチャンスで決めきること。何度も好機を作ったMF高橋馨希(23)は「得点が取れないと、今の順位から上がることができない。最後のパスを通すところ、クロスを合わせるところ、やるべき事はたくさんある」と話せば、小田切監督は「取り組む方向は間違っていないが、勝ち点3にするためには、日頃からお互いに刺激しあって改善していかないといけない」と指摘した。 この15日間でアウェー3試合を含む、5試合の過密日程を消化。疲労もピークだが、高橋は「オフがなく、沼津、北海道、神戸と移動距離もすごかった。でも、プレーに影響するという理由にはなりません」と言い訳はなし。確かな手応えと課題を確認し、J2昇格に向けて巻き返しを図る。(中田 康博) ○…首位、大宮の長澤徹監督は「富山にはハードワークする覚悟があり、自分たちはちょっと抑え気味で試合に入った。アウェーで様子見した部分はある。(1点をリードして)クローズするメンバーで挑んだが、相手の素晴らしいシュートが入ってしまった。(守備の)人数が揃っていて失点したのは、チームとして最後にしようとロッカーで言いました」。
報知新聞社