給食費値上げの動き 「揚げパン」減らしクリスマスケーキ見送りも検討 交付金終了、食材費高騰に対応できず
■栄養職員、頭悩ませ 揚げパン減らしクリスマスケーキも…
給食費の値上げを決めた下諏訪町。下諏訪北小学校の栄養職員立野裕子さん(48)は日々、献立作りに頭を悩ませている。油や乳製品、肉、調味料などの食材費が軒並み高騰。子どもに人気の献立「揚げパン」を出す回数を減らし、クリスマスに合わせた給食では恒例だったケーキを見送ることも考えている。 「照り焼きチキン」の材料となる鶏肉は、もも肉から比較的値段の安い胸肉に置き換えている。魚料理も安価なモウカザメを取り入れる。魚は日本の食文化でもあり、立野さんは「本当はいろいろな種類のお魚を食べさせてあげたい」とこぼす。 下諏訪北小では、児童や教職員向けに毎日約260食を調理。毎日700食を作っていた立野さんの前任校とは異なり、スケールメリットを生かしづらい。「小規模な学校だと、調理方法で工夫するしかない」。メインとなる献立は野菜と和えてボリュームや食べ応えを高めているという。
■給食は子どもが食文化学ぶ機会
立野さんにとって給食は子どもたちが食を通じて季節の行事や地域の食文化を学ぶ機会でもある。立野さんは「世界情勢がこんなに影響するなんて…。質を維持できるように工夫していかないといけない」と話す。 「うなぎのまち」を掲げる岡谷市は、1月の「寒の土用丑(うし)の日」前後に、かば焼きやひつまぶしなどの「うなぎ給食」を出すのが恒例。市教委は来年1月の提供も期待しているが、自校給食の岡谷市では学校ごとにかけられる食材費は決まっており「各学校の判断になる」としている。