8月末時点で“いい順位”につけているチームのファンは、どのような心持ちで日々を過ごすべきか ~オギリマサホのゆるっとカープ論~
思わず心を奪われる! カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、新たなカープの魅力を切り取る。 【写真】ご利益がありそうな、新井貴浩監督の待ち受け画像 24日時点で、セ・リーグの首位を走るカープ。今回は、チームが『8月末時点で“いい順位”いる』ファンの気持ちについてを、オギリマ視点でゆる~く取り上げる。 ◆「勝負はまだ先にある」。ファンの心構えとしては、「一つ一つの試合をしっかり見て応援する」こと。 近頃、気持ちが落ち着かない。カープが首位にいるためである。 これが4月とか5月とかなら、「まだシーズンも始まったばかりだし」と構えていられるのだが、8月も後半に入った現在、「もしかすると、もしかして……」という思いが頭をよぎり始めるわけだ。 しかし「安易にソレを口に出してはいけない」という戒めにも似た気持ちが、はやる心を押しとどめる。「早々に雑誌で特集を組んだ結果、失速してしまった」などという例は、過去にいくらでもあったではないか。喜ぶのはまだ早いのである。 ではこれまで、8月末の時点でカープが「いい順位」につけていた時、私は何を考えて過ごしていただろうか。これを振り返るにあたり、過去の8月末時点でのカープの順位と最終結果とを比較してみた(参考:Wikipedia各年のセ・リーグ順位変動)。 1950年のカープ球団創設以来、8月末の段階で1位だった年は1975・1979・1980・2016・2017・2018年の6回。これらの年はいずれもリーグ優勝を果たしている。特に「3連覇」の2016~2018年が記憶に新しいが、2位とのゲーム差も大きかったこともあり、比較的ゆったりした心構えで過ごしていたような気もする。 一方で1984・1986・1991年は、8月末の段階では2位だったものの、9月以降で追い上げを見せて優勝した年だ。私自身がカープファンになったのは1990年なので、9月に中日に3連勝して首位になり、優勝を果たした1991年のことは強く印象に残っている。 つまり8月末時点で首位にいなかったチームが、9月以降に追い上げて優勝するというパターンも多くあるわけで、これは全く安心できないということになる。 ではこの時期を、どういった心持ちで過ごせばよいだろうか。その答えを、新井貴浩監督のインタビューに見いだすことができた。先日8月22日、東京ドームでの巨人との首位攻防戦。8回まで巨人・戸郷翔征に0点に抑えられていたカープ打線であったが、9回表に小園海斗のタイムリーで同点に追いつき、10回表に矢野雅哉が決勝タイムリーを放って逆転勝ちをおさめた。 その勝利監督インタビューで、新井さんは「勝負はまだ先にあると思ってるんですけども、ビジターで劣勢の展開を逆転勝ちできたというのは、チームに力がついてきている証だと思います」と語った。勝負はまだ先、確かにその通りである。一方で日々の試合を見てみれば、小園や矢野をはじめとして、若い力が躍動して勝利につながっている。3連覇の時のような圧倒的な打撃力はないかも知れないが、投手陣の頑張りと、堅固な守備で守り勝つ試合が多い。 最終的な順位はどうなるかはわからないが、今持つべきファンの心構えとしては、「一つ一つの試合をしっかり見て応援する」というところに尽きるのかも知れない、と思っているところである。
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