韓国の”トリプルスリー男”を連続三振斬り 専門家が分析…中日22歳が圧倒したワケ
普段は直球が半分以上…この日は29.5%でスプリットが53.8%
高橋は普段、ストレートの割合が半分を超える投手。しかし、この日は伝統的に速い球に強い韓国を相手に、スプリットが78球中42球(53.8%)を占め、ストレートは23球(29.5%)だった。「どうしても勝ちたい試合だっただけに慎重になり、ストレートは投げづらかったのだと思います。緩急の“緩”に偏り、苦しい投球になりましたが、それでも4回7安打2失点に収めた高橋の力量は大したものです」と野口氏はねぎらった。 一方、キム・ドヨンは5回の第3打席では、2番手の西武・隅田知一郎投手のフォークに遊ゴロ。7回の第4打席では隅田のチェンジアップをとらえ痛烈な飛球を放ったが、中飛に終わった。野口氏は「さすがに振りが鋭い。第4打席は真芯でとらえたからこそドライブがかかってしまいましたが、うまくバックスピンがかかっていれば本塁打になっていたかもしれない。紙一重だったと思います」と指摘した。 侍ジャパンはかつて“宿命のライバル”として何度も苦汁をなめた韓国に、これで国際大会9連勝。しかし、野口氏は「韓国はキム・ドヨンをはじめ非常に若い選手が台頭していますし、2026年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に照準を合わせているそうですから、これまでの長期低迷はすでに底を打ったと考えた方がいい」と警鐘を鳴らす。 来オフに迫っている次回WBCへ向けて「せっかく侍ジャパンの組織が常設されているのですから、韓国に偵察隊を送り込んでもいいのでは」と提言する。“熱すぎる日韓戦”が戻ってくるのかもしれない。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki