稼げると有名なマグロ漁師を目指していましたが、時代はカニ漁師だと聞きました。それぞれの収入はどれくらいですか?
高価なマグロを追う漁師は多くの人に憧れられてきました。マグロ漁業と聞けば、荒波に立ち向かう漁師たちの姿が思い浮かぶかもしれません。しかし、近年はカニ漁師の魅力にも注目が集まっています。 では、それぞれの年収はどれほど違うのでしょうか。この記事では、マグロ漁師とカニ漁師の仕事について解説したあとで、両者の年収の違いと、その影響要因について解説します。
マグロ漁師とは
マグロ漁の職人たちは過酷な作業に日夜立ち向かう必要があります。漁師が用いる漁法技術には、一本釣り、定置網、巻き網などがありますが、仕事としては、はえ縄漁法が最も就業しやすいといわれています。 これは、浮きで釣った長いロープにたくさんの釣り糸・釣り針をつけて海中に入れておき、大型のマグロが釣れるのを待つ方法です。この方法は、魚体を傷つけずに、高品質な刺し身用マグロを確保できる点が特徴です。 しかしこの漁法は、投縄から揚縄まで20時間近くもかかることがあり、漁師の体力と精神力を極限まで試すといわれています。また、マグロではない他の海洋生物を引き上げてしまう混獲の問題が指摘されています。 さらに、縄を海中に展開する際や、獲物を船上に引き上げる作業には、高い技術と経験が必要です。獲れたマグロ一匹一匹に対する丁寧な扱いや、その後の処理が甘いと、商品価値が大きく下がることがあるのです。
カニ漁師とは
カニ漁の職人たちは、主に2つの漁法で漁を行います。底引き網漁は巨大な網を海底まで沈めて船で引き回す漁法です。この方法は混獲率の高さが問題にされることもあります。かご縄漁法は、海の深さ800から1000メートルの底に、エサを詰めたかごを仕掛ける方法で、ズワイガニなどの貴重な海産物が手に入ります。 このかご縄漁法では、一定間隔でエサを入れたかごがロープに取り付けられ、それを海底へと沈めます。数日後、これらのかごは再び海面へと引き上げられ、入っているカニを収穫するのです。 引き揚げ作業自体は3時間から4時間続くことも珍しくなく、その間、漁師たちは休むことなく働きます。海上でのこの作業は、カニの選別や次の投かごの準備も含め、強靱(きょうじん)な体力がなければ続きません。特に冬の漁期には、冷たく厳しい気象条件の下での作業となるため、その過酷さは一層増します。