<雨宮天×伊藤美来>アニメ「がんばっていきまっしょい」インタビュー(2) 「うん」「あはは」に込めた思い
インタビュー(1)の続き。実写映画化、ドラマ化もされた敷村良子さんの青春小説が原作の劇場版アニメ「がんばっていきまっしょい」(櫻木優平監督)が10月25日に公開される。愛媛県松山市を舞台に、ボート部に青春をかける女子高校生の成長や、心のゆらぎが描かれた名作。アニメは、主人公・村上悦子役の雨宮天さん、悦子の幼なじみの佐伯姫役の伊藤美来さんら豪華声優陣が出演することも話題になっている。雨宮さん、伊藤さんに同作への思いや収録の裏側を聞いた。 【写真特集】雨宮天×伊藤美来 美しすぎる!対談 写真を一挙に
◇針の穴を通すように演じる
ーー悦ネエは最初、諦めがちで、けだるそうにも見えるのが印象的です。変化していくキャラクターでもあります。演じる中で意識したことは?
雨宮さん いわゆるアニメ的なアプローチみたいなものは少し減らし、喜怒哀楽をしっかり分かりやすく伝えるというよりは、リアルなお芝居を突き詰めていきました。言い方が難しいのですが、音に頼って分かりやすくしすぎると、それは悦ネエ、私がイメージするこの作品から外れる気がします。「うん」というセリフが多いのですが、出汁やスパイスで変えていき、「うん」のリテークを自分から申し出ることもありました。
ーー普段とは違うアプローチだった?
雨宮さん そうですね。準備はするのですが、準備しすぎるのではなく、収録で生まれるものを大事にしたかったので、方向性や演技プランを固めすぎないで、収録に向かいました。すごくやりがいがありました。収録が難航したり、叫ぶセリフがたくさんあったわけではないのですが、小さな針の穴を通すように集中し続けていたから、終わった時はヘトヘトで、疲労感がものすごかったです。
ーー伊藤さんは?
伊藤さん 自然な感じや作品自体の少し実写に近いテンポ感や雰囲気を大事にしようとしました。ヒメには「あはは」という口癖があって、いろいろな「あはは」があるんです。可愛く言っているところもあれば、コミュニケーションの中で自然に可愛く言っていたり、ちょっと引いていたりします。ヒメはコックスなので、掛け声も頑張りました。ボート部のみんなは最初はちゃんとできていなかったけど、後半はいっぱい練習してできるようになり、最初と後半で全然違うものにしようとしました。コックスの掛け声で追加のセリフもありましたし、掛け声に注目していただけるとうれしいです。