57歳・三浦知良、プロ40年目の新天地で背番号は『11』「辞める選択はない」 アトレチコ鈴鹿入り
サッカーの日本フットボールリーグ(JFL)、アトレチコ鈴鹿は25日、元日本代表FW三浦知良(57)の獲得を発表した。保有元のJ2横浜FCから来年1月末までの期限付き移籍で、2022年以来、約1年半ぶりの復帰。背番号は代名詞の「11」。7月2日の練習からチームに合流し、同14日のヴェルスパ大分戦から公式戦出場が可能となる。昨年2月にポルトガル2部のオリベイレンセに期限付きで加入し、今年5月に2シーズン目を終えたカズは東京・国立競技場で記者会見に臨み、「1試合、1分でも多く出たい」と意欲的に語った。 カズは晴れやかな表情だった。プロ40年目の新天地について、「辞める選択はない。どこで情熱を出し、表現できるか」と自問自答したという。クラブの規模やカテゴリー、環境ではなく、重視したのは選手としてのやりがいや幸せ。今年1月と4月に東京Vの前身・読売クラブ時代のチームメートだった鈴鹿の斉藤浩史社長からポルトガルで「熱烈なオファー」を直接届けられ、5月末には「鈴鹿がベスト」と決断した。 異国での苦闘によって、ストライカーの闘争本能が呼び起こされた。ポルトガル2部オリベイレンセでは計2シーズンで公式戦10試合に出場して無得点だった。カズは「目の前の試合で1ゴールを挙げることを目標にやっていく」と意気軒高に言い、自身が持つJFL最年長得点記録(55歳246日)の更新を新たなターゲットに掲げた。 年齢を重ねるごとに周囲を巧妙に使うプレーが増えた一方、ポルトガルでは「フォワードは常に前に向かっていくことが大事」と原点の重要性を手土産として持ち帰った。カズは「1対1の仕掛けで勝負する。ゴールへ向かう気持ち、自分で何とかしてゴールを挙げる気持ち。ベテランらしくないプレーができたらいい」とにやりと笑った。 情熱は衰えるどころか燃え盛っている。「まだまだグラウンドで戦えるモチベーションがある」とカズ。57歳のストライカーが、新たな挑戦に踏み出す。
中日スポーツ