アルバイト先で「タイムカード」を切ってからゴミ出しや掃除をさせられるのですが、これって違法ではないのでしょうか?
通常は仕事が終わった後にタイムカードを押します。しかし、なかにはタイムカードを切ってから残業するように言われることもあるでしょう。 そこで、本記事では、タイムカードを切ってからアルバイト先でゴミ出しや掃除をさせられた場合を例に挙げて、違法かどうかを解説します。あわせて、違法の場合、どのように対処すればよいのかを紹介します。
タイムカードを切ってからの労働は違法か?
タイムカードとは、出勤・退勤の時間を管理し記録するために必要なものです。アルバイト先はタイムカードの記録を見て、アルバイトにアルバイト代を支払います。タイムカードを切ってからゴミ出しや掃除をさせるのは、アルバイト先が「支払う賃金を減らしたい」と考えているからでしょう。 たとえゴミ出しや掃除がメインの仕事の後片付けであったとしても、これらの仕事は労働と見なされます。そのため、タイムカードを切ってからアルバイトに仕事をさせることは違法です。 タイムカードを切ってから働くことは、ただ単にその分の賃金がもらえないというデメリットだけではありません。まず、アルバイト先だけでなく、違法行為の指示に従っているアルバイトも「違法行為に加担した」と見なされるケースがあります。「自分さえ我慢すれば」と思って放置していると、大きな問題になりかねないのです。 次に、「労災保険制度」の適用外になる可能性があります。労災保険制度とは、業務上または通勤途中に労働者が負傷や病気、障害、死亡した場合に労働者本人やその遺族に必要な保険を給付する制度のことです。労働者には、アルバイトも含まれます。 例えば、ゴミ出しや掃除の最中に手を空き缶で切って、けがをしたとしましょう。通常であれば、仕事中のけがは労災保険制度が適用されます。 しかし、タイムカードを切った場合、労働時間中のけがと見なされないため、労災保険制度の対象外となってしまう可能性があるのです。労災保険が下りない場合、けがの治療費は全額自己負担になります。こうした事態に陥らないためにも、「タイムカードを切ってからゴミ出しや掃除をして」と命じられても、従ってはいけません。