夫婦2人で「年収1000万円」は本当に高収入ですか? 都内だと普通のマンションに住むのがやっとで、贅沢なんてできません…
自分の年収と他人の年収を比べる機会は、あまり多くはないでしょう。また、世帯収入を比べる機会も、それほど多くはありません。とはいえ、ほかの人や家庭の収入が気になるのは一般的な感覚といえます。 年収が話題にのぼるとき、よく目安とされる数字が「1000万円」です。今回は、夫婦2人で年収1000万円は高収入かどうかや、家計を見直すポイントなどを紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
夫婦2人で年収1000万円は高収入ではない?
国税庁実施の「民間給与実態統計調査」から、日本人の平均年収をみてみましょう。令和4年の結果によると、給与所得者の平均年収は458万円でした。男女合わせて算出された年収のため、夫婦で働いている場合、単純に2倍した916万円が世帯年収となってもおかしくはありません。 男性の平均年収は563万円、女性の平均年収は314万円となっています。合計では877万円となるので、こちらを世帯年収の実態に近い数字と捉えることも可能です。 同調査結果によると、正社員の平均年収は523万円なので、単純に2倍すると1046万円で1000万円を超えます。男性の正社員の平均年収は584万円、女性は407万円となっており、合計すると991万円です。 世帯年収1000万円は高収入とはいえるでしょう。しかし、国税庁の公表する統計データからいくつかの計算をしてみると、夫婦2人で働いている場合は、平均的な世帯年収と考えることもできます。
都内だと生活が楽にならない理由
物件情報サイト「SUUMO」によると、3LDK~4K程度のマンションの家賃相場がもっとも高いのは、千代田区の48万円です。足立区や葛飾区などの東部では13万円ほどとなっていますが、23区内の多くの地域の相場は20万円以上と、都市部の家賃は決して安くはありません(いずれも2024年1月10日更新時点)。 一方、総務省統計局の「令和4年 家計調査」の結果によると、2人以上の世帯の月あたりの平均消費支出額は、約29万円でした。住居費が1万8000円台と安くなっていますが、これは持ち家の人も計算に入っているためです。都内のマンションに住んでいる場合は、27万円程度の消費支出額に家賃が上乗せされます。仮にアクセスの良い家賃の高い場所に住み、毎月の支出額が60万円であれば、年間では720万円です。 年収1000万円の場合、手取りは800万円前後となります。それでも黒字ではありますが、平均的なデータで計算したものなので、夫婦2人で年収1000万円でも、まったくゆとりがないという世帯もあるでしょう。