漫画が雨にぬれるの防ぎたかった 中学生がスマホ制御の「置き配」ボックス開発、困った経験生かしコンクールで最高賞 広島市
中学生がものづくりの知識や技術を競う全国コンクールで、長束中1年の猪狩(いがり)鉄平さん(13)=広島市安佐南区=の「IoTデリバリーボックス」が最高賞を受賞した。通信技術を使い、留守中に「置き配」される荷物の盗難や紛失を防ぐ作品。実生活で困った経験が開発につながった。 【画像】最高賞を受けた猪狩さん コンクールは全日本中学校技術・家庭科研究会が主催する「創造ものづくり教育フェア」の1種目で、1月19日に東京で審査会があった。技術、家庭の2分野に計190点の応募があり、猪狩さんは技術分野のトップに輝いた。 ボックスは、荷物が入るとWi―Fi(ワイファイ)経由でスマートフォンに到着を知らせ、スマホから施錠の操作もできる。箱にセンサーなどを組み込み、プログラムで制御する。部品の一部は3Dプリンターで作った。箱本体も木材とプラスチックで美しく仕上げ、部品や配線をむき出しにしない工夫もした。 着想は実体験から得た。楽しみにしていた漫画本が旅行中に宅配便で届いたが、「置き配」だったため雨風で汚れないか気が気でなかった。昨年の夏休みに自宅で一気に制作した。 猪狩さんは「困り事を解決したいと思い、形にした作品が評価された」と喜ぶ。日々の暮らしでも「これ、どうにかできないかな」という会話が増えたといい、次回作のヒントを探す。
中国新聞社