同性ファンをトリコにするヴィジュアル系男装女子
かつては“同性愛者の聖地”と呼ばれた東京・新宿2丁目が観光スポット化したり、男性のファッショに身を包んだ女性が働く男装バーや男装カフェ、女性の格好をした“男の娘”や“女装子”と呼ばれる男性が働くカフェやバーが都内の繁華街を中心にいくつもオープンしたりと、一般社会においてもユニセックス化が進む昨今。古くから芸能界には性別にこだわらないタレントが活躍する土壌はあったが、とくに近年は女装家のマツコ・デラックスやミッツ・マングローブなど、いわゆるおネエ系タレントの活躍が目立つ。 その一方で最近ブームの兆しを見せているのが、「ヴィジュアル系男装女子」の存在だ。日本の音楽業界で花開いた“ヴィジュアル系”文化は、一部でその起源とされる男性ロックバンド「X JAPAN」をはじめ、数多くの人気アーティストを世に放ち、日本のみならず世界中のファンを魅了してきた。
世界中にファンを持つ日本発祥の“ヴィジュアル系”
全盛期と言われる90年代に比べると最近は一時期ほどの勢いはないが、それでも「ゴールデンボンバー」がブレークするなど、いまだに音楽業界では一つのジャンルとして存在感を放っている。 そうした中、「ヴィジュアル系男装女子」は読んで字のごとく、女性が男装をほどこし、漫画やアニメ、ゲーム、ファンタジーの世界から飛び出してきたかのようなイケメンに変身し、若い女性を中心に脚光を浴びている。 ファッション誌「KERA」の人気モデルとして活動しているAKIRAは、ヴィジュアル系ロックバンド「DISACODE」のボーカルを務めるほか、昨年7月にはアニメ「黒執事Book of Circus」のエンディングテーマ『蒼き月満ちて』でソロデビューを果たすなど活躍の場を広げており、ヴィジュアル系男装女子のファンの間ではカリスマ的な人気を誇る。 また、アニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマ『Butterfly Core』やエンディングテーマ『君への嘘』などで知られる歌手のVALSHEはメジャーデビュー後3年間近く、イラストのみで素顔を隠して活動。13年11月にリリースした『Butterfly Core』でビジュアルや性別を解禁すると、そのイケメンフェースとハスキーボイスで注目を呼び、今年9月に発売した最新アルバム『DISPLAY-Now&Best-』が、9月21日付のオリコン・デイリーランキングで2位になるなど人気を集めている。