センバツ高校野球 石橋 「食トレ」で体力向上へ 専門家が栄養管理 /栃木
◇意識も高まりプレーに好影響 3月18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に21世紀枠で出場する石橋は、野球の練習に加え、体力向上などを目指して食事トレーニングに励む。福田博之監督は「体が大きくなる生徒が増え、プレーも良くなっている。意識も高まった」と効果を指摘する。【鴨田玲奈】 「水分補給は1日2・2リットルをこまめに取ってください」。2月初旬、石橋の敷地内にある合宿所「白葉寮」の一室で、さいたま市の健康管理会社に所属する管理栄養士、三五安海さん(24)が選手らに食事の注意点を解説していた。通称「食トレ」だ。県立高は体が貧弱な場合が多く、「体ができないと良いパフォーマンスを発揮できない」と福田監督が赴任した2016年から導入した。 月に1度、選手の身長体重、体脂肪率などを測定。三五さんが選手一人一人と面談し、食事について指導する。亀井将広選手(2年)は、夜食でラーメンを食べたからか、先月よりも体脂肪率が微増した。「体重が増えたのは良いことだけど、ラーメンはだめ。夜食をやめて、補食の量を増やそう」と助言を受けた。「もう少し考えればよかった。しっかり直していきたい」と気を引き締めた。 選手によって一日に食べるご飯の量も決められている。横松誠也主将(同)は一日2300グラムだという。三五さんからは「(体重から脂肪量を引いた)除脂肪量が2キロ増えたね」と褒められた横松主将は、「朝増やして、夜はあまり食べないようにした。何回かに分けて食べることも意識した。数値で出してくれると分かりやすく、食事への意識が高くなった」と手応えを口にする。 全体での講義では、センバツに向けた試合前の調整について、「ここから急激に体重が増減すると悪影響になるので、しっかり体重管理をしてほしい」と指導があった。選手から「牛乳と100%オレンジジュースを同じタイミングで飲んでも良いですか」と質問があり、三五さんは「大丈夫だよ」と答えていた。 福田博之監督は三五さんについて、「一人一人丁寧にやってくれてありがたい。チームの一員だと思っている」と信頼を寄せる。2年前から石橋の指導にあたる三五さんは、センバツ出場を喜び、「21世紀枠に選ばれてから、選手たちのモチベーションが上がっていて、数値も伸びてきている。残りの期間、試合で動きやすいように調整していきたい」と笑顔で話す。