石川さゆり、飲み屋の女将役を好演 映画『PERFECT DAYS』本編映像解禁
『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』などのヴィム・ヴェンダース監督が、役所広司主演で撮った日本映画『PERFECT DAYS』。昨年12月22日にTOHOシネマズ シャンテをメイン館として全国公開され、興行収入8億円を突破。米国の「第96回アカデミー賞」(現地時間3月10日)の国際長編映画賞にノミネートされ、受賞への期待が高まっている。そんな本作から、歌歌手で俳優の石川さゆりが演じた女将のいる飲み屋を主人公・平山(役所)が訪れるシーンの本編映像が解禁となった。 【動画】映画『PERFECT DAYS』石川さゆりが登場 東京・渋谷の公共トイレの清掃員として働く平山の日々を描き、彼の“足るを知る“人生、そしてヴェンダースが描いた、ほのかに希望を感じさせる東京の風景に、絶賛の声があふれている本作。つつしまやかな生活の中で、ささやかな楽しみを大事にする平山がたびたび訪れる飲み屋のシーンは、公開後、反響の大きかったシーンの一つでもある。 ぱらぱらと雨が降る、ある日。下町の路地裏でぽっと灯る赤提灯が、カッパを着て自転車に乗って訪れた平山をあたたかく迎える。「平山さん、いらっしゃい」と美しい声で声をかける、店の女将(石川)。常連の平山に「いつもの?」と声をかけ、平山の胸ポケットから覗く文庫本に興味を示し、「何の本を読んでるの?幸田文『木』。エッセイ?」と問いかける。すると、いつも無口な平山は顔をほころばせて「読んだことある?」と答える。女将は、ううん、と首をふりながら「平山さんはインテリね」と、お世辞めいた言葉に平山は照れ笑いを浮かべる。 ふたりの適度な距離感、そしての平山の過去や素顔をほんのりと想像することができる。常連と軽口をたたきながらの心地よい空気が流れる飲み屋で、石川演じる女将が平山のプライベートを包み込む、暖かなシーンとなっている。 本編では、石川があがた森魚の奏でるギター演奏に合わせてアカペラで歌唱するシーンもあり、心に染み入る圧巻の歌声で観客を驚かせた。ほかにも、飲み屋の常連の男性として登場したモロ師岡のほか、研ナオコ、長井短、犬山イヌコ、片桐はいり、安藤玉恵などがスクリーンの端々に登場し、物語をそっと支えて観客を楽しませてくれる。