なでしこ、18歳・谷川萌々子アシスト→清家貴子の開始29秒弾も…池田監督「パワーバランスで相手に分があった」
◆シービリーブス杯 ▽準決勝 米国2―1日本(6日・米アトランタ) パリ五輪に出場するなでしこジャパン(FIFAランク7位)は、出場決定後初の対外試合で米国(同4位)に逆転負け。初先発した18歳のMF谷川萌々子(ローセンゴード)が、FW清家貴子(27)=三菱重工浦和=の開始29秒弾を呼び込む先制アシスト。しかし前半21分、自陣でのミスを突かれて同点とされると、5バックに布陣変更した後半32分にPKで勝ち越された。日本は9日の3位決定戦で、パリ五輪で同組のブラジル(同10位)と対戦する。 ミスが重なり米国に逆転負け。特に1―1の後半から5バックに変更して敗れたのは、五輪メダル獲得への課題だ。池田太監督(53)は「パワーバランスで相手に分があった」と素直に負けを認めた。 収穫は新戦力の台頭だ。初先発の18歳のMF谷川が、視野の広さを生かした先制アシストを決めた。試合開始の笛から29秒。「ボールを受けた時に清家選手が走っていた」と右サイドの清家にロングパスを送ると、WEリーグで7戦連発中の絶好調FWがドリブル突破し、1点を奪った。 昨夏のW杯後から1ボランチに入ってきたDF熊谷がセンターバックに入り、谷川が先発起用。昨夏のW杯はトレーニングパートナーとして同行し、五輪メンバー入りの目標を思い描く。この日は前半45分のプレーで「もっとアンカーとしての役割を果たさないといけない」と振り返ったが、大柄な米国選手をはじき飛ばし、力強さも印象づけた。 パリではメダルが懸かる試合で開催国フランスと対戦する可能性もあり、観衆5万人超の完全アウェーを経験できたのは貴重だ。3位決定戦は五輪で同組のブラジルとの対戦。昨年12月にも敵地で2度対戦しており、手の内を熟知した前哨戦。指揮官は「敗戦を次のゲーム、そして未来につなげていきたい」と誓った。 ◆谷川 萌々子(たにかわ・ももこ)2005年5月7日、名古屋市生まれ。18歳。MF。幼稚園年中の頃に東海スポーツでサッカーを始め、名古屋FCレディース、グランパスみよしなどを経て小学校卒業と同時にJFAアカデミー福島入り。昨夏のW杯はトレーニングパートナーとして同行。高校卒業に合わせ、24年1月にバイエルン(ドイツ)と契約。今季はローセンゴード(スウェーデン)に期限付き移籍。座右の銘は「勝敗は細部に宿る」。168センチ、58キロ。
報知新聞社