松本サリン事件から今年で30年 第一通報者の河野義行さん「報道と人権」について語る「報道は2番だって3番だっていいじゃないですか。正しくきちっと伝える。そのほうが私は大事だと思う」
テレビ信州
松本サリン事件から今年で30年。第一通報者で、当初、犯人のように扱われた河野義行さんが24日、上伊那郡箕輪町で「報道と人権」をテーマに語りました。 第一通報者 河野義行さん 「事件から今年で30年過ぎました。各メディアは、勉強会とかですね講習会とか、講演会とかいろいろやってですね、当時の報道が何が問題であったのか、どうすれば、そういう過ちを犯さないで済むのか、そんなことをずいぶんやったわけですが、実はメディアというのはですね。そういう誤報だとか、人権侵害を起こさないための手法ですね、とっくに分かってんですよ。分かってるけれどもそれが実践されてない。だから繰り返すんです」 30年前の1994年6月27日。松本市の住宅街で猛毒のサリンがまかれ、8人が亡くなり、重軽症者は600人に上りました。犯行は、オウム真理教によるものでしたが、当初、犯人扱いされたのが、事件の第一通報者で、妻を失った、河野義行さんです。 第一通報者 河野義行さん 「事件発生から次の日ですね、なぜか、わたくしの家に警察からの家宅捜索が入るわけですね。メディアにとって一番大事なものは何か。それは誰よりも早くその情報を報道する、あるいは記事に書いていく。速報性ですね。一番でなきゃいけない、という価値観が非常に強いですね。研究分野であれば2番は価値ないですよ。しかし報道は2番だって3番だっていいじゃないですか。それが正しくきちっと伝わる、伝えていく。そちらの方が私は、大事だと思うんですね。メディアがやらなきゃいけないのは自分たちが議論して、得た結論を実践する、そのことが大事じゃないか、そんなふうに思っています」 講演会は、箕輪町が毎年行う、「人権尊重のまちづくり講演会」に合わせて開かれたもので、350人が聴き入っていました。