「限界突破」井上拓真が公開練習 勝って兄・尚弥に「バトンつなげたい」
◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上尚弥―元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上拓真―同級1位・石田匠(5月6日、東京ドーム) WBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)が11日、横浜市の大橋ジムで、石田匠(井岡)との2度目の防衛戦に向けた練習を公開した。 この日はシャドーボクシング、サンドバッグ打ち各2ラウンドを公開したが、大橋秀行会長、父の真吾トレーナーが見守る中、キレのある動きと力強いパンチを見せた。「コンディションはすごくいい。前回の試合から、良い流れのまま練習に入れたのでよかった」と拓真。昨年4月、リボリオ・ソリス(ベネズエラ)に判定勝ちして、WBC暫定王座に続き、WBA正規王座を獲得すると、今年2月には、元IBF世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に9回KO勝ちし初防衛に成功した。より攻撃的なボクシングを見せて、“ニュー拓真”をアピールしたが「まだまだ修正点はある。伸びしろがあるので」と自身の成長に手応えを感じている。「判定とKOは違う。KOにこだわっていきたい。ボクシングに相手には何もさせない。(相手の動きを)見切ったら、そういう(KOする)場面も出てくるのではないか」と言葉に力を込めた。 「前回の試合から(期間が)短く、心配されていると思うが、大変調子が良く、今まで見た中で一番、出来が良い。(兄の世界4団体スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一王者・井上尚弥=大橋=との)兄弟で東京ドームのリングに立てるのも何かの縁。井上家は何かを持っている。良い試合を期待している」と大橋会長。真吾トレーナーは「石田選手はジャブがいいと思うけど、拓真も負けないくらい、いい。ジャブはすごく良くなっていますよ。いい流れで練習に入っていけたので準備期間は短いですが、メリットしか感じられない。ジャブの差し合いに負けなければ、その後の右でも左でもつないでいける」と話した。石田が拓真のクリンチについて触れたことを聞かれると「それはテクニックですから。(体が)くっついちゃうと自分のパンチが出せなくなる。だから、パンチが出せるように距離を調整している」と説明した。 東京ドームでの試合は初めて。「入ったことがないから雰囲気は分からないが、5万人の中で戦えるモチベーションはあります」と拓真。尚弥とそろって世界戦の舞台に立つのは2019年11月のさいたまスーパーアリーナ大会以来。「前回は負けちゃった(WBC王座統一戦でウバーリ=フランス=に判定負け)が、前回よりも今回は自信がある。(兄へ)最高のバトンをつなげたい」と闘志をみなぎらせた拓真。Tシャツの胸にはペットのヒョウモントカゲモドキ「レビン」のイラストとともに「BUST THE LIMIT(限界を突破する)」の文字がレイアウトされた。兄に続く4団体王座統一の目標に向けて、まずは東京ドームの大一番を突破する。 戦績は28歳の井上拓が19勝(5KO)1敗、32歳の石田が34勝(17KO)3敗。 試合はPrime Videoでライブ配信される。
報知新聞社