令和の今だからこそ往年のビッグバイクモデルを手に入れて、その余裕と風格を実感したい!
ヤマハFZR1000[1991]:オールマイティさが持ち味のFZRシリーズ最大排気量モデル
1984年にTT-F3レーサーのレプリカモデルとしてデビューしたFZ400R。そのシリーズ頂点モデルとして、1987年に「FZR1000」が登場した。当時TT-F1レーサーの排気量は750ccで、スズキGSX-R1100と並びレーサーとしては存在しない1000ccクラスだったが、アルミデルタボックスフレーム/デュアルヘッドライト仕様のフルカウル/前傾45度シリンダー+5バルブエンジンのジェネシステクノロジーで人気を博した。丸目2灯から異形1灯式ヘッドライトに変更されたのが1991年モデルの特徴だ。 ◆FZR400/250RRと同様のプロジェクターヘッドライトを採用した1991年型FZR1000。水冷式オイルクーラーを装備し、最高出力145馬力ながら、排気デバイスのEXUPにより低中速域も扱いやすい。 ◆シングルシートカウルの下にはリヤシートがあり、タンデムツーリングも余裕でこなす。この年式からフロントフォークは倒立式。1996年にデザインの方向性が全く異なるYZF1000サンダーエースにバトンタッチするので、レーシーなムードが好みならおすすめだ。
ヤマハTRX850[1995]:ハンドリングのヤマハが堪能できる270度ツインの先駆モデル
現在でもMT-07に採用されている並列2気筒エンジンの270度クランクを初めて実用化したのが「TRX850」。ベースエンジンはTDM850用だが、当時のTDMは360度クランクで(1998年より270度エンジンを搭載)、こちらの方が先に市販された。 白いトラスフレームと赤いボディカラーは、同年代のドゥカティ900SSと瓜二つという意見もあったが、コンパクトな並列ツインによるマスの集中化、そもそもヤマハが得意とするハンドリングの味付けは秀逸で、走行性能に対する評価は今なお高い。 ◆ここで紹介した他の2機種より製造期間が短く、後継モデルもなかったため、中古車市場でTRX850を見かける機会はあまり多くない。それだけに程度の良い車両に出会えたなら逃さず確保したい。エンジンは270度クランクであるだけでなく、潤滑方式をドライサンプとすることで、エンジン下部のオイルパンを廃してマスの集中化に貢献。 ◆この車両は、バックステップ/フェンダーレスキット/シングルシートカバーなど、前オーナーがカスタムしながら大切に乗ってきたことが伝わってくる1台。
────────── ●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ※掲載されている車両の在庫状況については、全国のレッドバロン各店舗のネットワークにて確認してください。販売済みの場合もあります。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モトメカニック編集部