梅田に出現「おしゃれなコーナン」が革命的すぎた グラングリーン大阪「gardens umekita」の“凄さ”とは?
実は、都市論や社会学の文脈においても、ホームセンターはあまり旺盛に語られてこなかった。百貨店やショッピングモールについては多くの発言や議論、書籍や記事が出されているが、ホームセンターはどこか「地味」な存在なのだ。 それはなぜか。筆者が思うに、 ① ホームセンターが「地方・郊外」を中心に出店を伸ばしてきたこと ② ホームセンターは「目的」があってはじめて行く場所だということ ③ホームセンター各社が、プロ(職人)向け業態を拡大してきたこと
という3点が関係していると思う。 ■ホームセンターのイメージを「gardens umekita」が変えるかもしれないワケ ①については、先ほど説明したホームセンターの成立からして明確だが、これがどうしてホームセンターの存在感を薄いものにしてきたのか。基本的に、こうした店舗について報じるメディアや業界人は、東京をはじめとする都市部に集中している。だから、どうしても地方や郊外といったものがその視野からこぼれてしまいやすい。
こうした現象は、東京工業大学教授の柳瀬博一なども指摘しているところで、地方・郊外のリアルと、報道のリアルがズレることが往々にしてある。それがホームセンター業界でも起こっているのではないか。 ホームセンターとして最大の出店数を誇る「コメリ」も、農村部に積極的な出店を行える業態を開発している。その結果、「農家のコンビニ」という呼び声もあるぐらいで、業界全体が基本的に地方・郊外に向いている。 また、②についてもわかりやすいだろう。目的がなくてもふらりと立ち入るようなところであれば、人々の注目を集めやすいが、ホームセンターは明確な目的ありきでの来店がふつうだ。そのため、「使う人だけが知っている」状態になり、あまりホームセンター業界が注目されてこなかったのかもしれない。
さらに③も重要だ。ワークマンがアパレル企業としての色を強くする一方で、多くのホームセンターはプロ(職人)向けの店舗を増やしている。「より専門的に」ということだが、その結果、一般の人には「凄さ」や「魅力」がわかりにくくなっている。 しかし、今回のコーナンのGRAND GREEN OSAKAへの出店は、この①・②・③の状況を覆しうるポテンシャルを持っていると思うのだ。 そもそも、大阪駅前にある商業施設への入居というのもそうだ。そのインパクトは大きいだろう。しかも、GRAND GREEN OSAKAは開業当初から評判がよい。