今後どう転ぶのか? 謎めいていて魅惑的、松下洸平演じる周明にSNS熱視線【光る君へ】
どう転んでいくのかわからない…周明に期待大
そんなバックグラウンドはさておき、やっぱり視聴者が一番期待していたのは、松下洸平が演じる謎の宋人・周明だ。前回初登場したときから、なんだかまひろが気になるような素振りを見せ、浜辺で良い雰囲気となり、薬師としては完ぺきな治療をおこない、さらに突然の日本語でまひろの心(いや視聴者もだ)を翻弄する。もうこれは、ドラマ初期で視聴者の心を鷲づかみにした直秀(毎熊克哉)に続く、最高の「ヒロインの恋の二番手」キャラの誕生だろう。 松下といえば、この『光る君へ』の制作統括・内田ゆき氏が、かつて担当したNHK朝ドラ『スカーレット』(2019年)でヒロインの相手役・八郎に抜擢し、そこから「八郎沼」なんて言葉が生まれるほどに大ブレイクしたのが記憶に新しい。そのときも周明同様「どこか謎めいた男」というスタンスで登場したが、次第にコミカルと色気と苦悩をまんべんなく振りまく好青年キャラとして定着していった。 そんなわけでこの周明も、今はこんなにスンッとしたオーラを振りまいているけど、やがて愛すべき存在となっていくのか? とんでもない裏の顔を見せてくるのか? 松下のカメレオン役者ぶりもあり、どう転んでいくのかわからないという楽しみだけでも、私たちは当分このドラマに惹きつけられそうだ。 だがそれと同様に私たちが恐れているのは、今回の通事のように、オリジナルキャラはいつどのように退場させられるかわからないという点だろう。少なくとも私はまだ、直秀の突然の死のトラウマから逃れられてないんや・・・。 ◇ 『光る君へ』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。6月9日放送の第23回『雪の舞うころ』では、通事の殺害を疑われた朱仁聡を周明が救おうとする姿と、藤原宣孝がまひろたちを訪ねて越前にやってくるところが描かれる。 文/吉永美和子