“米軍関係車両”が衝突、深夜に大炎上…全焼物件の被害者が明かす「2人死亡事故」惨事の現場【写真あり】
「(事故現場のそばにある)自宅で寝ていたのですが、『ドーン』とすごい音がしたので、何ごとかと思い、外に出ました。そうしたら、あんなことに……」 【大惨事】焼け焦げた「事故車両」が地面に突き刺さる 7月14日の午前4時ごろ、青森県三沢市の小屋に乗用車が衝突し、炎上する事故が発生した。この事故で、2人が死亡し、1人は大けがで搬送。 事故により衝突された小屋は火に包まれ、全焼している。 事故から3日たった7月17日、事故現場となった小屋の所有者の男性(81)が本誌の取材に応じ、事故発生直後の様子を冒頭のように振り返った。 小屋に衝突したのは、米軍関係者が使う「Yナンバー」の乗用車だった。米軍三沢基地は7月15日、死亡したうちの1人が、同基地所属の空軍兵だと明らかにしている。もう1人の遺体の身元はまだわかっていないが、大けがの男性は同県六ヶ所村の会社員と判明している。 所有者の男性が続ける。 「『小屋』と報道されましたが、実際は車庫兼倉庫(以下、車庫)でした。事故当時、お向かいさんは『雷が落ちたようなものすごい音だった』と言っていました。道路と自宅敷地の間にコンクリート塀があるのですが、そこにぶつかったようでした。 コンクリートの塀と車庫がつぶれていたので、『たぶん車だろう』と思いました。よく見ると、車庫のシャッターあたりから、もう火が出ていまして。ただ最初は、私のところからは車が見えなかったんです。車庫の向こう側まで飛んでいったようですから。 車庫に沿って向こうまで行ったのか、車庫にぶつかって跳ねたのか……もう燃えてしまったので、ちょっと分からないのです。近所のみなさんが、私たちより早く気がついて、119番と110番に通報してくださいました」 所有者の男性が見せてくれた事故当日の写真では、小屋の壁や柱が崩れ、辺り一面は燃え殻だらけ。隣家との塀を乗り越え、焼けこげた事故車両は地面に突き刺さるようになっている。まさに大惨事という様相だ。 現場の道路は、時速40km制限の右カーブだった。しかし、事故を起こした「Yナンバー」の乗用車は、それを大幅に超えた速度で走行していた可能性が高い。 所有者の男性が聞いた話では、亡くなった空軍兵とは別の外国人男性が、事故直後に救助活動をしていた。事故を起こした乗用車は、その外国人男性が運転する車を追い越していき、そのまま車庫に衝突したという。 「事故車のなかから日本人男性が『助けてください』と声をあげており、後続車の外国人男性は私の家に車を入れて、救助に向かわれました。その外国人男性が米軍関係者かどうかはわかりません。 最初は、その外国人男性がひとりで救助にあたっていたそうですが、お向かいさんもそれを見て、事故車から日本人男性を助け出すのを手伝っていました。 車庫には、軽トラックなど私の車も2台ありました。あわてて外に出したんですが、車庫のほうに向いていた部分が溶けちゃって、修理業者に出しているところです。車は丸こげではないですが、いま、廃車になるか、修理できるかを見てもらっているところですね」(同前) 全焼した車庫だけではなく、車にも被害があったという所有者の男性。賠償について、何かアプローチはあったのか。 「7月16日に、東北防衛局(防衛省の地方支分部局)の方が2人でお見えになって『たいへん申し訳ありませんでした。何かあったら連絡をください』と頭を下げていかれました。でも、米軍関係者は来ていません。 いまのところ、賠償などについての話もいっさい出ていません。これからどうすればいいのかなと。相手の車が保険に入っているかどうかもわからないし、誰にどう請求すればいいのかもわからないし。 警察は、事故処理が終わって最後に帰るとき『あとで、事故車が保険に入っているかどうか教えます』と言っていましたが、まだ連絡が来ていないですね」(同前) たとえ米軍関係者の責任で事故が起きたとしても、「米軍からの対応は期待できません」と、防衛省OBは話す。 「基本的に米軍の賠償、補償などについては、地方防衛局が対応します。たとえば、横田基地の場合だと関東防衛局が対応する。米軍が窓口になるのではなく、防衛局が窓口になります。 日米地位協定に基づいて、払えるものと払えないものはありますが、基本的には米国の軍人、軍属が起こした事故の賠償金などは日本側が負担します。 米軍が事件や事故を起こした際に、『米軍は謝りに来るべきだ』という声があがりますが、基本的に米軍は防衛局にまかせて、挨拶に行きません。 こうした対応に批判が出ますけど、いかんともしがたいのが現状です」 今後、しっかりと事故の補償がなされることを願うばかりだ。