井浦新、若いときは「やろうと思ってもなかなかできなかった」“見守る立場”の芝居の難しさ
知的な雰囲気がありながら大人の色気も感じさせ、多面的な魅力を持つ井浦新は、日本の映画・ドラマに欠かせない俳優となっている。社会派作品から、エンタメ色の強い作品まで幅広く活躍する現在につながる「THE CHANGE」について聞いてみた。【第1回/全3回】 ■【画像】白衣が似合う!井浦新さん・ドラマ衣装でのポートレート■
自然体と思いきや
取材場所で待機していると、入口近くのところから「うわっ!」という声が聞こえてきた。そちらを見ると、これから話を聞く井浦新さん(49)が泡が吹き出し続ける炭酸飲料の缶を手にしていた。「振っていないのに、こんなに吹き出すなんて……」。バツの悪そうな顔をしている井浦さん。イケオジといわれる井浦さんの意外な姿だった。 その井浦さんは4月15日スタートのドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)で、主役の杉咲花さん(26)演じる川内ミヤビの主治医である脳外科教授・大迫紘一を演じる。初共演となる杉咲さんの、撮影現場での印象を聞いてみた。 井浦「とても自然体で好感が持てる方です。今作に力は入っているのでしょうけど、まわりにそういう態度は見せず、いつも自然体でいます。なので、まわりも妙な緊張はせずに、杉咲さんを中心に、居心地のいい感じに集まってきています。 それと同時に、この作品に向けて長い時間をかけてプロデューサーと何度も打ち合わせを重ねたり、医療技術の練習も前から取り組んでいたり、強い志というものも感じます。本当にまじめな、なにごともまじめにまっすぐに取り組む方なんだなと思いました」 井浦さんが強い志を感じるという杉咲さんだが、意外な一面もあるようで……。
杉咲花がお芝居モンスターから人間に
井浦「制作発表でも、すごく緊張しているって言っていましたね。イメージではキャリアもしっかりありますし、ずっと最前線で戦い続けている方なんで、そういうもののないところまで行っているのかと勝手に思っていたんです。 でも、会見でも急に笑いだしたりとか、笑いのツボも個性的ですし、意外と天然なところもあったりして。僕は勝手に杉咲さんのことを“お芝居モンスター”みたいなキャラクターだと思っていたんですが、一緒にいるうちにだんだんモンスターから人間になってきて、ちょっとホッとしているところです。ただ、作品や役に対するアプローチや、気持ちのありようは、本当にすてきなものを持っている俳優さんだ、と思います」 井浦さんが『アンメット』で演じるのは、ミヤビの主治医で保護者的な立場の脳外科教授の大迫紘一。ヒット作であるドラマ『最愛』(TBS系)でも、主人公の朝宮梨央(吉高由里子/35)を支える弁護士・加瀬賢一郎を好演していた。幅広い役柄を演じてきた井浦さんだが、父親的なポジションの役が増えているのだろうか。 井浦「意識はしていませんでしたが、言われたらたしかにそうですね。やっぱり年齢が関係しているのかと。ミヤビと大迫の関係は、おじさんが親戚の娘さんを見守っているような感覚があると思うんですが、20代や30代のときには、やろうと思ってもなかなかできなかった役です」