輪島塗の製品をＰＲする鮓井さん夫妻

　能登半島地震による火災で開けなくなった石川県輪島市の「輪島朝市」が８月１１日、福島市のＪＲ福島駅東口駅前に出張出展する。大火から約８カ月。輪島塗や海産物を売り出す。福島市出身の作曲家古関裕而さんの誕生日に催される盆踊りイベント「ふくしまＢＯＮ―ＤＡＮＣＥフェスティバル」の会場に市を開き、現地の関係者が古関メロディーに乗せて能登の魅力を発信する。来場者は踊りと支援の輪を広げる。出張輪島朝市は東北地方で初開催となる。 　フェスティバルの実行委員会は能登半島地震の復興支援として、輪島朝市の招待を企画した。石川県は古関さんの代表曲「栄冠は君に輝く」を作詞した加賀大介さんの故郷。古関さんに関連する本県との縁があることも決め手になった。 　輪島朝市は７月１０日、輪島市内のショッピングモール内で出張朝市として復活。その後も石川県以外で出張輪島朝市を開催している。輪島朝市組合に加盟する３店舗がフェスティバルに出店し、輪島塗のはしや器、工芸品、にがりを使った手作りせっけんなどを並べる。干物やイカの塩辛、海苔など能登産の海産物加工品を販売する。

　伝統的な輪島塗工芸品を手がける鮓井商店を営み、今回、出店する鮓井（すしい）辰也さん（７２）、喜代美さん（６３）夫妻は「東日本大震災から復興してきた福島で輪島の魅力を発信したい」と意気込む。 　　　◇　　　◇ 　フェスティバルは８月１１日午後４時から同９時まで、福島市のＪＲ福島駅東口駅前通りを通行規制して行われる。やぐらを設置し、古関さん作曲の「福島盆唄」「初代わらじ音頭」などを繰り広げ、誰でも参加できる。出張輪島朝市のほか、縁日や飲食ブースを設ける。 　問い合わせは事務局へ。 ※輪島朝市　石川県輪島市で開かれる朝市。千葉県勝浦市の勝浦朝市、岐阜県高山市の宮川朝市とともに、日本三大朝市の一つに数えられる。海産物や野菜、輪島塗をはじめとする民芸品などを販売する約１５０の露店が並んでいた。２０２４（令和６）年１月に発生した能登半島地震による火災で全体が焼失した。