広島カキ 再生のカギは “下水” にあり エサとなる “プランクトン不足” 解消目指して 下水処理場を舞台に新たな試みスタート
その一つ、廿日市浄化センターです。どんな試験なのでしょうか? 廿日市環境エンジニアリング 中髙下忠信 所長 「エアレーションタンクで微生物の活性化を図っている」 タンクの中にある無数の泡は空気です。下水処理は微生物の力で汚れを分解します。この空気を送り込むことで活動を活性化させるといいます。 試験は、空気の量を減らし、活動を抑えることで栄養塩の濃度を上げます。 廿日市環境エンジニアリング 中髙下忠信 所長 「以前はもっとしっかり泡が出て、グルグルかくはんしているような状況でした」 半年間の緩和運転で窒素の濃度はおよそ6割増えました。 ■漁場への影響は 毎月 調査船を出して水質を調べ 漁場にはどんな影響があるのか。県水産海洋技術センターは毎月、調査船を出して調べています。 柴田和広 記者 「今、廿日市浄化センター近くのカキの養殖場に来ました。これから水質調査のため、水を採取します」 3月の調査に同行しました。「地御前かき」で知られるカキの養殖漁場です。 調査は、窒素やリンの濃度、プランクトンの量などを調べます。カキの身入りはどうでしょうか。 県水産海技センター 戸井真一郎 次長 「まだ軽々には言えないんですけど、ことしはいいと聞いております」 もう一つの試験か所、呉市の広浄化センター近くの漁場では、イカダのカキを引き揚げました。 県水産海技センター 戸井真一郎 次長 「重たいです。身がしっかり入っています」 引き揚げたカキはセンターに持ち帰って詳しく調べます。 県水産海技センター 戸井真一郎 次長 「サンプルのカキ、かなりいいですね。身入りがよくてですね、よく太っている」 ― それは緩和運転の成果ですか? 「一概には言えませんが、そうあってほしいですね」 広島県では今年度以降、試験か所を増やして、3年間の試験で効果が分かれば本格実施する考えです。
中国放送