名バイプレイヤーたちの個性が“ロトスコープ”でアニメの世界に!『化け猫あんずちゃん』新場面カット公開
久野遥子と山下敦弘がW監督を務め、第77回カンヌ国際映画祭「監督週間」での公式上映やアヌシー国際アニメーション映画祭2024長編コンペティション部門に正式出品されるなど世界中から熱視線を集める『化け猫あんずちゃん』(7月19日公開)。このたび本作から、ユニークなキャラクターの姿を収めた新たな場面カットが解禁された。 【写真を見る】山下敦弘作品の常連、宇野祥平らがアニメキャラに!久野遥子監督のこだわりポイントは? いましろたかしの同名漫画を、実写の映像をもとにした「ロトスコープ」の手法でアニメーション化した本作。豪雨のなかでお寺の和尚さんに見つけられた子猫は“あんず”と名付けられ、大切に育てられた。やがて時は流れ、人間の言葉を話し人間のように暮らす“化け猫”になったあんずちゃんの元へ、和尚さんの息子、哲也が娘のかりんを連れて帰ってくる。しかし哲也は和尚さんとケンカし、あんずちゃんは置いていかれたかりんのお世話を頼まれることに。 このたび解禁されたのは、宇野祥平演じる閻魔大王と、水澤紳吾演じる貧乏神、吉岡睦雄演じるカエルちゃん、そして澤部渡演じるたぬきの場面カット。それぞれの俳優たちは実際に各キャラクターをイメージした衣装をまとって、まず山下監督のもとで実写で撮影を実施。そこから芝居のエッセンスを抽出し、動きや音声を使用して久野監督がアニメーション化。そのため、アニメーションでありながら個性豊かな俳優たちの要素が感じられるビジュアルで、本人の芝居が全面的に活きたキャラクターに仕上がっている。 自らキャラクターデザインも担当した久野監督は「閻魔大王は宇野さんの静かで怖いお芝居が活かせるよう、顔の印象に寄せる方向で考え直しました」、「撮影現場でふんどし一丁で歩く水澤さんはあまりにも貧乏神そのものでしたので、大切に作画しようと心に決めました」、「吉岡さんのカエルちゃんは意外と喜怒哀楽が豊か。その表情も楽しんでほしいです」、「原作漫画ではちょっとあんずに冷たいたぬきですが、澤部さんが演じるたぬきはどこか優しい気質が感じられ、それが動きの柔らかさにも出ていたように思います」とコメント。 彼ら4名やあんずちゃんを演じた森山未來など、アニメの世界観に溶け込みながらキャストの魅力がぎっしりと詰まったキャラクターたちが勢ぞろいした本作。その活き活きとした姿に注目しながら、“37歳の化け猫”あんずちゃんの逃走劇を楽しもう! ■<コメント> ●久野遥子(監督) 宇野祥平演じる閻魔大王について 「魔大王ということで初めはいかにもなデザインで考えていたのですが、宇野さんの静かで怖いお芝居が活かせるよう宇野さんの顔の印象に寄せる方向で考え直しました。髭についた2つの小さなリボンは唯一の茶目っ気です」 水澤紳吾演じる貧乏神について 「猛暑の撮影現場でふんどし一丁で歩く水澤さんはあまりに貧乏神そのものでしたので、大切に作画しようと心に決めました。少ない髪の毛、ひげ、すね毛…と毛が印象的なキャラですがたまにチラ見えする鼻毛にもご注目を!」 吉岡睦雄演じるカエルちゃんについて 「吉岡さんの演じるカエルちゃんには原作漫画からそのまま出てきたようなキュートさと同じくらいのリアルさがあり、作画スタッフ一同癒されながら描いていました。意外と喜怒哀楽が豊かなカエルちゃん、その表情も楽しんでほしいです」 澤部渡演じるたぬきについて 「原作漫画ではちょっとあんずに冷たいたぬきですが、澤部さん演じるたぬきはポーカーフェイスながらにどこか優しい気質が感じられ、それが動きの柔らかさにも出ていたように思います」 文/久保田 和馬