「京都はこわい?」NYから京都に移住した私が勧める“全然こわくない京都ひとり旅”
「ソロ活」という言葉が流行り、1人での行動を楽しむ人が増えている。 ひとりの時間はいわばご褒美。特別で大切な時間だ。 そんな自分だけの時間を使って「ひとり旅」に出たことはあるだろうか。 【写真】「京都はソロ活にピッタリ!」と気づいた著者のひとり旅プランを写真で見る 「ひとりが好きだ。でも、ひとりで旅に出るほどではなかった。」 そう語るのは、ニューヨークで9年暮らしコロナを経て京都に移住した、エッセイストとして活躍する仁平綾さん。 仁平さんは京都に出会って、ひとり旅に目覚めたという。 ひとりだからこそできる贅沢な夜の過ごし方や、五感研ぎ澄まされる食との出会い。 仁平さん的”ほんとうの京都”をエッセイに綴った一冊『京都はこわくない』(大和書房)から、京都ひとり旅のススメを抜粋してお伝えします。
ひとり旅をしよう
ひとりが好きだ。でも、ひとりで旅に出るほどではなかった。 友だちと一泊や二泊の旅行に行くことはあっても、「ひとりで行ってくるわ!」と、仕事でもないのにオットを置いて遊びにいくのは、なんだか気がひけてしまう。夜ごはんだって、ひとりよりふたり、あるいはもっと複数人で食べたほうが、飲みもの食べものをシェアできるしなあ……。と、ひとり旅になかなか食指が動かなかった。 ところがである。京都が、そんな私を変えてしまった。ある日、私はこの街が、ひとり旅にめちゃくちゃ寄り添うシティだと気づいてしまったのである。 それは、オットが出張で不在だった、ある週末。ふと思い立って左京区の自宅を飛び出し、街中のホテルを拠点に一泊二日のひとり旅をすることにした。数ヶ月前に愛猫を亡くした私にとっては、傷心旅行でもあった。 ビストロのカウンター席でディナーを食べ、夜はホテルの大きな湯船のお風呂に浸かり、翌日は朝ごはんをしみじみ味わって、市内を思いのまま観光してみた。予想していたよりもはるかに気楽で、食事も存分に楽しめ、そして信じられないぐらい心が慰められた。京都、いいじゃん! となって、以来私は、京都ひとり旅に目覚めたのである。