仏アビニョン演劇祭「オフ」部門、台湾を「テーマ国」に 開幕パレードで歓声浴びる
(パリ中央社)南仏アビニョンで現地時間3日、演劇の祭典「アビニョン演劇祭」の自主参加部門「オフ」が開幕した。今年初めて設定された「テーマ国」には台湾が選ばれた。2日に行われたパレードでは、台湾の参加グループが世界各地のパフォーマンス団体の先頭を歩き、観客から歓声を浴びた。 駐仏台湾文化センターの胡晴舫センター長は中央社の取材に対し、オフの運営団体がテーマ国を選ぶ上で最初に思い付いたのが台湾だったと説明。「彼らは台湾が過去17年において常にオフで非常に活躍していることを知っているからだ」と話した。 胡氏によれば、運営側からは「台湾について理解し、台湾文化とは何かを全面的に理解したい」との考えが表明されたという。そのため、パフォーマンス団体の参加だけでなく、映画上映や出版物の展示、フォーラムの開催、グルメ体験などのイベントも用意した。人々の顔写真を巨大なポスターとして街に張り出すアートプロジェクト「インサイドアウト」を手掛けるフランス人芸術家JRさんと共同で、古壁を台湾人の顔で埋め尽くす企画も行う。 オフに参加する台湾のコンテンポラリーダンスカンパニー、レジデント・アイランド・ダンス・シアター(滞留島舞踊劇場)の張忠安アートディレクターは、台湾がテーマ国に選ばれたのは「非常に光栄」だと語り、作品をフランスで上演できることに「わくわくしているし、うれしい」と話した。 開幕パレードで台湾のチームに「フランスへようこそ」と声をかけていた観客のナタリーさんは、数年前から台湾の作品をいくつも見てきたと明かし、「いつも興味深く、文化もとても豊か。この島(台湾)が好きだし、台湾の友達もたくさんいる」と語った。 今年のオフでは台湾から、滞留島舞踊劇場の「In Factory」など4作品が上演される。 (曽婷瑄/編集:名切千絵)