登山者の安全を祈願 大杉谷登山道が開山で式典 三重・大台
三重県多気郡大台町大杉の大杉谷登山センターで19日午前10時から、大杉谷登山道の開山を告げる「大杉峡谷オープニングセレモニー」があり、大森正信町長や地元県議、地元町議、県職員ら38人が式典に参加し、期間中の登山者の安全を祈願した。期間は11月下旬まで。 登山道は大杉と奈良県大台ケ原を結ぶ全長14.1キロで、高低差は415メートル。1936(昭和11)年に吉野熊野国立公園内に登録され、40(同15)年に登山コースが作られた。ユネスコエコパークにも認定されている。豊富な雨量が生み出す七つの滝と11本のつり橋があり、ダイナミックな景色が楽しめる。黒部峡谷(富山県)、清津峡(新潟県)、とともに「日本三大峡谷」と呼ばれ、本格的な登山コースとして人気がある。 昨シーズンの入山者数は5763人。登山届提出者数は2597人で半数以下だが、グループ代表者が提出する場合もあり比較できないという。昨年は登山道からの滑落で2人が重傷となる事故が起きている。また、登山道の自然環境や動植物などの保全につなげるための、入山協力金(千円)の納入も求めている。 同センターは「これからの季節は新緑が美しくなる」と魅力を語る一方、「道幅が狭く、道をよく見ていないと滑落してしまう。歩きスマホは危険なのでやめてほしい」と注意を呼び掛けている。また、登山届は必ず提出するよう喚起している。