新野の発展へ「憩いの場に」 グラウンドに遊具増設を要望 阿南第二中学校【長野県】
長野県阿南町新野の阿南第二中学校の2年生7人が27日、隣接する新野小学校と共有している学校グラウンドの遊具増設を求める要望書を町と議会に提出した。地域の生活環境を向上させることで「新野地区の良さや伝統を未来につなげ、発展させたい」と思いを伝え、必要と考える遊具や予算などをまとめた資料を勝野一成町長や議員らに示した。 新野地区の人口減少と少子化が進む中、生徒たちは「子どもや子育てする人が暮らしやすいまちをつくりたい」と1年生の時に「新野発展し隊」を発足させた。当初は公園の新設や既存の公園の改修などを検討していたが、住民アンケートなどの調査を進めると、「新しく造る場所がない」「既存の公園は敷地が狭かったり駐車場がない」ことなどが分かった。 それらの課題を踏まえ、地区の中心部に位置する学校のグラウンドに注目。既存の公園よりアクセスが良好なことから「今までよりもたくさんの人が集まる場所になる」と考えてアイデアをまとめた。 要望書では、保育園児向けの砂場や玩具の他、子どもに人気のあるアスレチック遊具、住民が集うあずまやとベンチなどの設置を提案。安全対策として遊具の下の地面にタータン、チップを敷いたり、LEDソーラー街灯を置くことも付け加え、必要な予算は500万円余りを見込んだ。 この日、生徒たちは町役場を訪れて議場でアイデアを発表。学校に遊具を増設する案は「土地の購入代がかからず管理がしやすい」「新野保育園との交流機会が増える」といったメリットがあることを示し、「暮らしやすさの向上、憩いの場を目指し、持続可能な場所になるようにしたい」と強調した。 提案を受けた勝野町長は「(学校は)立地が良く提案とマッチしている。教育委員会や皆さんと計画を検討し、できるだけ早く予算を確保したい」と回答。伊藤公市副議長は「関係機関と一緒になって考えていきたい」と話した。 終了後、生徒の一人(14)は、前向きな回答をもらえたことに「ほっとしている。今後が楽しみ」と安堵の表情。別の生徒(同)は「予算の確保のため、自分たちで寄付金を集めるなど協力ができれば」と話していた。