「冷え」「熱こもり」タイプで選ぶ“花粉症の漢方薬” 症状でわかる「チェック表」で自分にあう薬を
花粉症の人にとってはつらい季節がやってきました。 すでにひどい症状に苦しんでいる方も多いようです。今回は、漢方的にみた花粉症のタイプとタイプ別の漢方薬、花粉症の症状を軽くする方法をお伝えしたいと思います。 【表で見る】漢方医学からみる花粉症のタイプ別「漢方薬」 ■花粉症は昔はなかった? そもそも、漢方の古典には「花粉症」という病名の記載はありません。今では国民病ともいえるほど一般化した花粉症ですが、比較的近年の疾患であることを若い年代の人は知らないかもしれません。
しかし、花粉症という病名の記載はなくても、花粉症の症状を表す記載は古典にも多くあります。例えば、鼻づまりを伴い、鼻水が出る「鼻鼽(びきゅう)」、水のような鼻水が滝のようにあふれ出る「鼻淵(びえん)」、黄色いドロドロした鼻水が出る「脳漏(のうろう)」などです。 目のかゆみや皮膚の症状も入れると、多くの花粉症の症状に当てはまる表現があり、それを花粉症の治療に応用することができます。 花粉症に限ったことではありませんが、漢方では症状に対して治療方針を立てるときには、「冷え」が原因なのか、「熱」が原因なのかを考えます。
冷えている場合は温め、熱を持っている場合は冷やすことにより、ちょうどよい状態「中庸(ちゅうよう)」にします。これにより症状が緩和されるのです。冷えか熱か、原因がどちらなのか判断する際は、症状が決め手になります。 冷えタイプ:冷えが原因の場合、次のような症状が出ます。 □ 顔色が青白い □ 鼻水は薄くて量が多い □ 体、手足などが冷えやすい □ 寒い日、冷えると悪化する □ むくみやすい 熱こもりタイプ:熱がこもっていることが原因の場合、次のような症状が出ます。
□ 熱感やほてりが強い □ 眼球、目のまわりがかゆい □ 黄色く濃い痰、鼻水、目やにが出る □ 入浴後など、温まると悪化する □ 喉のイガイガ、耳のかゆみが強い チェックが多いほうがその方の花粉症のタイプになります。 ■冷えタイプの漢方3種と養生法 漢方では薄い大量の鼻水は冷え、ドロドロした黄色い鼻水は熱によるものと考えます。 花粉症で病院に行くと、最も多く処方されるのが小青竜湯(しょうせいりゅうとう)で、冷えタイプの花粉症に有効な代表的な漢方薬です。