[山口県]SLやまぐち号、来月3日再開 2年ぶり「デゴイチ」復活
22日から指定席券販売
JR西日本は10日、蒸気機関車(SL)の不具合により2022年5月から運転を取りやめている山口線の観光列車SLやまぐち号について、5月3日から2年ぶりに運転を再開すると発表した。11月24日まで土日、祝日を中心に計57日間の運転を計画し、今月22日から1カ月先までの指定席券やグリーン席券の販売を始める。 SLやまぐち号は22年5月3日に運行した際、「デゴイチ」と呼ばれるD51形200号機に石炭と水を積載する炭水車の台車の一部に亀裂が見つかり、京都の梅小路運転区で修繕を実施。修繕後、昨年8月から9月にかけて山口線で試運転を行った後、再び京都で検査を受けていた。 広島市のJR西日本中国統括本部で10日に会見した蔵原潮本部長は、試運転で収集したデータを分析したところ、さらに修繕が必要だと判明したため、運転再開の時期が当初の計画よりも遅れたことを明かした。「数々の試験をクリアして、何とかゴールデンウイークに間に合わせたかった」と強調。今後は積載する石炭と水の量を軽くするなど現場レベルで試行錯誤して運行する意向を示し、「年を召したデゴイチが、少しでも長生きできるようにしながらお客さんにも喜んでいただきたい」と述べた。 「貴婦人」の愛称で親しまれ、20年10月に不具合が生じてから長期間にわたって運用を離脱し修繕が続くシンボル機のC57形1号機については、修繕にさらに時間を要する見通しを示し、「なんとか復活に向けて頑張っていきたい」と話した。