石破氏が女子大で特別講義「国会答弁より怖い」
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石破茂地方創生担当相が29日、東京の昭和女子大学で「女性とまち・ひと・しごと創生」をテーマに、約150人の女子大学生を前に特別講義を行った。 受講したのは、グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科の1年生と、一般教養科目で「時事経済論」を受講している学生ら。石破氏が教室の演台に立つと学生から拍手で迎え入れられたが、「この仕事(国会議員)を30年やっているが、女子大で話すのは生まれて初めて。国会答弁よりはるかに怖い」と、普段コワモテの石破氏も少し照れた表情。時折ジェネレーションギャップに戸惑いつつも、地方創生の説明は徐々に熱を帯びていった。
「西暦3000年には日本人が1000人程度になる」との試算を基に、将来日本の国そのものがなくなってしまうかもしれない、と厳しい人口減少の現状を紹介。石破氏の地元である「鳥取県に行ったことある人?」などと学生に問いかけながら、地方から東京への深刻な人口流出問題も訴えた。公共事業と企業誘致に頼った過去の地方政策はもう取れないとして「そこをどうするかが地方創生の課題」と語りかけた。 こうした地方では今、若い女性らが活躍し始めているといい、島根県の隠岐島にある廃校寸前の高校を活性化させた女性の事例なども紹介した。
安倍内閣が掲げる「女性が輝く社会づくり」についても熱弁。「労働人口が減るから、女性が輝く社会だからといって、女性がどんどん働けばいいという社会をつくりたいと思っていない」と、様々な働き方や生き方に対応するきめ細かい政策が必要だと語った。また、「アンノン族」と言われた年配世代の女性向けファッションがヒットした京王百貨店の事例を挙げ、女性の感性が経済を活性化することもあるとして、それも女性が輝く社会の一つ」と語った。 特別講義を聴いたグローバルビジネス学部の1年生は「これまでグローバルな仕事ばかりに目を向けてきたが地方にも目を向けたい」と感想。学生の間に起業したいという別の1年生は「女性が働きやすいベンチャー企業などをバックアップしてほしい」と要望し、人口減少の現状に驚いたという別の1年生も「結婚したいし子供も産みたい。出産しても仕事に戻れる環境があったらいいのに」と話していた。