『ファイナルファンタジーX』ザナルカンドにて交わす決意の言葉―ドラマチックな英語の表現に注目しよう【ゲームで英語漬け#143】
前回の「ゲームで英語漬け」に引き続き、『ファイナルファンタジーX』から紹介します。ロンゾ族の拠点であるガガゼト山を越えると、そこにはついに辿り着いたザナルカンドが。長かった旅の終着点を前にして、それぞれが思いの丈を吐露していきます。それらは旅立つ者達の遺言であり、別れる人達へと託される最後の願い。決意を語る英語もまたドラマチックです。 【画像全11枚】 Dialogue/To Zanarkand Aaron:You remind me of myself. Before, the closer I came to Zanarkand, the more I wondered... when we arrive, Braska will call the Final Aeon... He will fight Sin, then die. I thought my mind was made up long before. But when I stood here, my resolve wavered. Wakka:Huh, never would’ve figured. Legendary gurardians choke sometimes, too ya? Aaron:Legendary guardian? I was just a boy. A boy about your age, actually. I wanted to change the world, too. But I changed nothing. That is my story. Remind:思い起こさせる Choke:息が詰まる、苦しい思いをする Waver:意思が揺らぐ、躊躇う Boy:未熟、青二才 アーロン:お前を見ていると昔を思い出す あのとき、ザナルカンドに近づくにつれ迷いも増えていった… 辿り着けばブラスカは究極召喚を行い… シンと戦い、そして死ぬ 覚悟はとうに決めていたはずだったんだがな だが、いざここに立ってみると俺の決意がは揺らいだ ワッカ:まるで想像がつかねえわ 伝説のガードでもそんな苦しい思いするなんてな アーロン:伝説のガード?俺はただの若造だった 実際、お前らとさして変わらん年頃だ 俺もかつては世界を変える気でいたさ だが何も変わらなかった これが俺の物語だ A city dead for thousand years. A city I had to see with my own eyes. The end of Yuna’s journey. The last chapter in my story. 千年前に滅んだ都 自分の目で確かめなきゃならなかった街 ユウナの旅路の終着点 そして、俺の物語の最終章 I’m not saying we shouldn’t go. But shouldn’t we think about it some more? There’s gotta be some kind of way we can save you, Yuna! Gotta:~しなくちゃ(Have got toの略) いまさら行くななんていわないよ だからってもっと考えてからでもよくない? きっと助かる方法がなんかあるはずだよ! Yuna:Tell Cid thank you. Rikku:No... You can tell him yourself. Yunie, don’t say that because... we’re gonna see each other again, okay? Gonna:~しよう(Going toの略) ユウナ:シドさんにもありがとうって伝えてくれる? リュック:やだよ…自分で伝えなよ そんなこと言わないで…だって もう一度会うんだから、そうでしょ? I’m glad...I’m glad that we met. We haven’t even known each other that long, but... It’s funny. So... So this is what it feels like. It’s a much more wonderful feeling than anything I had ever imagined. Wonderful...but it hurts, sometimes. I wonder. I...I just want to say, thank you for everything. Maybe...maybe that’s why it hurts. When I... When I think about us never being together again at all... I’m afraid. No, I should n’t say that. キミと出会えて…うれしかったんだよ お互い知り合ってそんなに経ってないのにね なんだか不思議 そんな感じかな いままで想像してたよりもずっと素敵な気持ち 素敵で…だけど時々苦しくて なんなんだろね …いろいろありがとうって、それだけ言いたかったんだ だから…だからつらいのかな もう二度と会えなくなるって考えたら…怖いんだ だめだめ、こんなこと言ったら 大詰めの場面が近づいてくると、自然と台詞も別れを意識したものが中心となり、他の洋ドラでも定番の表現が出てきますね。最後の頼みで伝言を託す“Tell A ~”に対して、「自分で言え」、“You can tell yourself”のやりとりもどこかで使う機会があるかもしれません。"The more ~, the more ~”と“Much more ~ than ~”と2つの比較級があるのも忘れずに。 ワッカの“Never would’ve figured”のところ、何か変だと思いましたか?副詞「Never」は通常助動詞の後、動詞の前に入るので“Would never have ~”と思いますよね。ですが強調の度合いによって副詞の置かれる場所はよく移動します。例文の”Would have”だと“Never would have”も“Would never have”も“Would have never”も、どれも表現として有り得るのだそうです。特に前に出すのは「強調の倒置」という扱いになり、「Never」の場合は絶対あり得ないという特段強い否定を表します。それとは別にこの場面のような事実と異なった反語的な意味にもなり、どちらになるかは文章の流れ次第で変わります。強調否定の文を訳してみて変だと思ったときは、反語の可能性について見直しても良さそうです。
Game*Spark Skollfang
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