ノーベル平和賞授賞式前に 現地オスロで被爆者や高校生平和大使が精力的に活動 市民交流や平和の種まき
広島ニュースTSS
ノーベル平和賞の授賞式が行われるノルウェーのオスロ市内には、総勢およそ30人の被爆者が訪れています。それぞれが9日も精力的に活動し、平和の種まきをしました。 オスロ大学の植物園を訪れたのは広島県被団協の佐久間邦彦理事長や市民団体のメンバーです。 こちらでは、7年前、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンがノーベル平和賞を受賞した際に佐久間さんらが植えた被爆樹木が成長していました。 【広島県被団協・佐久間邦彦 理事長】 「大きくなったなぁ。7年でこれだけ大きくなった。今後もやはり同じように私たちと一緒に成長してほしい」 新たに4種類の被爆樹木の種を植え、平和の種が芽吹くことを祈りました。 【広島県被団協・佐久間邦彦 理事長】 「きっと世界が平和な世界になるよう植物も祈っていると思います。平和な核兵器のない世界を一緒に築いていこうではありませんか」 一方、オスロ市内にあるグロンランド教会を訪れたのは、英語で証言する小倉桂子さんと長崎で被爆した医師の朝長万佐男さんです。 教会で市民と交流し、平和の祈りを捧げました。 【被爆者・小倉桂子さん】 「実際に皆さんの前で宗派を超えたサービスに参加させていただいて、すごくうれしい」 若者も精力的に動きました。 高校生平和大使で広島市立基町高校2年生の甲斐なつきさんは、オスロ市内の高校を訪れ同世代の若者に被爆の実相を伝えました。 【高校生平和大使・甲斐なつきさん】 「広島の平和公園には佐々木禎子さんの平和の子の像があります」 被爆後、白血病で亡くなった佐々木禎子さんが病床で鶴を折ったエピソードを紹介し、共に折り鶴を折りました。 【地元の高校生】 「核兵器がもたらす影響について、そして、世界中で核兵器が使用されるのをどうやって防ぐべきかについて多くを学んだ」 【地元の高校生】 「折り鶴は平和について学ぶための素晴らしい方法だと思います」 【広島市立基町高校2年 甲斐なつきさん】 「対話だったり、お互い理解しあったり、そういうことが大事だということをオスロの高校生たちとも共有できたので、帰ってからも重要性を広めていきたいなと思いました」 人だけでなく写真や絵でも訴えかけます。 ノーベル平和文化センターでは、授賞式に合わせ被爆の実相を伝える展示が11日から始まるのを前にメディアに公開されました。 被爆当時の惨状や被爆者の訴えが、写真で展示されるほか、広島の原爆資料館が提供した原爆の絵も展示されています。 被爆者が描いた13点の絵が手に取れるポストカードのサイズで印刷され、実際に手にとって見られるようになっています。 展示は来年11月中旬まで続きます。 【原爆展の学芸員は】 「観客がこの写真から感じるのは、緊急を要するということだと思いますが、同時に、被爆者に対する敬意と、世界に発信するメッセージも感じられると思います」
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