節目を迎えた“サントリー”で受け継がれる「創業の精神」
今回のテーマは、「“サントリー”を継ぐ者たち」。「サントリー」は、これまで続いてきた創業の精神を、次の世代にどう託そうとしているのか。 「ガイア」は、常温の缶からキンキンに冷えた生ビールを作り出す新たなサーバーの開発に密着。さらに、本場フランスで培った技術で挑む“唯一無二のワイン造り”に迫る。鳥井信宏さんを始め、“受け継ぐ者たち”それぞれの挑戦を追った。 【動画】ビールの常識を変える!新たなる挑戦
「山崎」100周年…未来に向けた「ものづくり」
9月12日、イギリス・ロンドン。今年で28回目を迎える蒸留酒の世界一を決める品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」には、ウイスキーの本場、スコットランドやアイルランドをはじめ、世界の名だたる蒸留所から、約2300品がエントリーしていた。 数日に及ぶ厳正な審査を経て、ウイスキーやジンなど約30部門で一位に輝いた酒が次々と表彰されていく。その中からたった一つ、全部門の最高賞が選ばれるのだ。 世界中の名だたる銘酒を抑え、栄誉あるシュプリームチャンピオンに選ばれたのが、「山崎25年」。25年以上、樽で熟成させた希少なモルト原酒を厳選。「サントリー」の自信作で、今年のナンバーワンに選ばれた。 トロフィーを受け取ったのは、チーフブレンダーの福與伸二さん(62)。「サントリー」のウイスキー事業が100周年を迎えた記念すべき年に、最高の賞を手にした。 「日本の水、日本の自然、日本の気候で造ると熟成も深くなる。非常に丁寧なものづくりを心掛けていて、そこが評価されたと思う」。
大阪府・島本町。「サントリー」の山崎蒸溜所には蒸留釜が並び、ウイスキーのもととなる原酒を造っている。この貯蔵庫だけでも、熟成を待つ原酒の樽が約2000。中には、最初に造った1924年の樽もある。 福與さんが特別に案内してくれたブレンダー室には、国内外で所有する樽の中から取り出した原酒だけで500本以上。「いろんな原酒を組み合わせて、最終的にここで決める」と福與さん。