『Sea of Stars』1周年。日本の名作RPGから大きな影響を受けたインディータイトル。1990年代風の美しいグラフィックがゲームファンを魅了した【今日は何の日?】
作り手の情熱が感じられるほどの作り込み 2023年(令和5年)8月29日は、Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Xbox Series X|S、Xbox One、PC用『Sea of Stars』が発売された日。本日でダウンロード版の配信開始から1周年を迎えたことになる。 【記事の画像(7枚)を見る】 『Sea of Stars』(シー オブ スターズ)は、ケベック(カナダ)で設立されたSabotage Studioが開発を手掛けたRPG。1990年代の名作RPGからの影響を色濃く受けており、現代の技術で美しく描かれたドット絵は多くのゲームファンたちを魅了した。 『クロノ・トリガー』をはじめとする数多くの作品で楽曲を手掛けた作曲家、光田康典氏がゲストコンポーザーとして参加していることも話題となっていたので覚えている人も多いだろう。 Sabotage Studioはレトロスタイルの作品を得意とするスタジオで、デビュー作である2018年8月30日発売の『The Messenger』も高い評価を受けた。なお『Sea of Stars』は、『The Messenger』の世界のはるか昔を描いた前日譚となっている。 物語の舞台となるのは、邪悪な錬金術師“フレッシュマンサー”が支配する世界。プレイヤーは“至点の子”と呼ばれるヴァレアとゼイル、ふたりの主人公となり、錬金術で生み出される恐ろしい怪物に対抗できる唯一の力、太陽と月の力が融合した“蝕の魔法”を操って戦っていくことになる。 特筆すべきはやはりドットで細緻に描かれたスーパーファミコン風のグラフィック。『クロノ・トリガー』や『ガイア幻想紀』、『スーパーマリオRPG』といった作品の影響を受けているだけあって、パッと見の印象はすごく懐かしい。 しかし、当時では実現できないようなエフェクトなどを加えて現代風にブラッシュアップ。これが何とも美しく、随所から作り手の愛も感じられるためユーザーは心打たれてしまうというわけだ。キャラクターたちもよく動き、見ていて楽しくなる点もよかったんじゃないかな。戦闘中はもちろん、会話中や移動のさなかでもさまざまなアクションを見せてくれる。 移動を行うワールドマップと探索を行うエリアマップに分かれていて、フィールドをくまなく冒険していくのも楽しい。パズル的な仕掛けなど、多種多様なギミックを解きながらユニークな構造のマップを進むのにもワクワクさせられた。魚釣りやボードゲーム的なミニゲームといったものも用意されていたのもうれしいポイントだ。 戦闘はシンボルエンカウントでコマンド式のターン制。タイミングに合わせてボタン入力することで攻撃の威力が増加したり、被ダメージを軽減させたりできるといったシステムも存在する。レベル上げやお金稼ぎなどを意識する必要がないようにデザインされているため、忙しいゲーマーにとっても大助かりだったんじゃないだろうか。仲間と連携する大技“コンボ”もかっこいいし、キャラクター独自の“究極技”も気持ちいい。 本作が多くのゲームファンたちを魅了したタイトルであることは前述の通りだが、2023年に開催された“The Game Awards 2023”で、“Best Independent Game”を受賞するなどお墨付きのタイトルでもある。まだ未体験であるならば、1周年のこの機会に『Sea of Stars』をプレイしてみるのはどうだろうか。