畜産・酪農継続に支援を 14年ぶり全国集会、1500人が訴え
JA全中は30日、畜産・酪農全国代表者大会を東京都内で開いた。配合飼料など生産資材価格の高止まりを受け、再生産可能な所得を支える万全な経営安定対策や、適正な価格形成の仕組みの具体化、畜産経営安定法の運用改善などを与党に要請。万全な対応を求める決議を採択した。 全中が畜産・酪農に特化した全国大会を開くのは2009年2月以来14年ぶり。オンラインも含め、生産者や、JA、酪農協の代表者ら約1500人が参加した。 全中の山野徹会長は、畜産・酪農生産基盤の弱体化で、「このままでは消費者に安全・安心で高品質な国産畜産物を供給できなくなり、地域の存続も危ぶまれる」と強い危機感を表明した。JAグループなどが一丸となった基盤強化の必要性を指摘した上で、参加議員に対し、万全の支援策を求めた。 全中畜産・酪農対策委員会の樽井功酪農委員長(JA北海道中央会会長)は要請で、適正な価格形成に向けた法制度の早期実現や、畜安法の運用改善などを求めた。12月中に決まる24年度対策では、生産コスト上昇を踏まえた加工原料乳生産者補給金、肉用子牛生産者補給金の保証基準価格などの設定を訴えた。 決議は同委員会の谷口俊二畜産委員長(JA三重中央会会長)が示し、採択された。 大会では参加者も意見を表明。宮崎牛肥育牛部会長会の岩崎勝也会長と酪農家の柴田瑞穂さん(秋田県)、JAオホーツクはまなす(北海道)の永峰勝利組合長は、将来が見通せる持続可能な経営や消費者への安定供給に向けた決意を示し、継続的な支援策の必要性も訴えた。 与党からは、自民党の江藤拓総合農林政策調査会長と古川康畜産・酪農対策委員長、公明党の角田秀穂農林水産部会長らが出席し、十分な対策や予算確保への決意を語った。
日本農業新聞