“5歳の息子が女の子に性的なイタズラを…” 親はどんな準備をすればいいのか【幼児の性教育】
お話の中で、「みー」はいろんな人と話をして、ある種の「答え」にたどり着く。さらに同書の解説者の一人、北山ひと美さん(和光小学校・和光幼稚園前校園長)は次のように解説している。 まず前提として、子どもたちには、パンツで守っているところはプライベートパーツと呼ばれていることを伝えること。プライベートパーツとは「他の人に見られたり触られたりしたくないところ」であり、一人一人がプライベートパーツをどのように感じるかをまず大切にしたい。その上で、パンツで守っている性器とおしり、胸、口をプライベートパーツということもある、と伝える。ここは柔らかく傷つきやすいところで、からだの内部ともつながっている、いのちに関わるところであることを伝えることが大切だ。 そのうえで、パンツで守っているところは「自分だけが見たり触ったりしていいところだよ」と伝えるのがいいという。もちろんプライベートパーツだけではなく、からだ全部が大切だということを日常生活の中で伝えるのも重要だ。
また、子どもは「おしり」「うんち」など、からだに関わることばを口にすることもあるが、子どものことばを聞いて慌てて反応するのではなく、「どうしてそれを言いたいの?」と理由を聞いてほしい、という。子どもはからだ、性に関わることばに対して大人が慌てることを面白がることもあるが、「面白いから」などというその子なりの理由を、まずは落ち着いて受け止めてあげること。その上で、「自分だけが見たり触ったりしていいところだから、他の人がいるところで話さないんだよ」と、社会のルールとして教えてあげることが大切である、と北山さんは勧めている。
幼い時からの性教育には違和感を抱く人もまだいることだろう。しかし、北山さんによれば、「大切なのは、ごまかしたりうそをついたりしないことです」とのこと。 赤ちゃんがどこから生まれるのか等々、子どもはあらゆる疑問をぶつけてくる。その説明の方法は、家庭ごとにいろいろあっていいのだろうが、ごまかしたりうそをついたりすると、結局は親に対する信頼関係にも関わってくるのだという。 間違っても、「自分で検索してみてね」などと言ってはいけないのは言うまでもない。
デイリー新潮編集部
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