「公的年金だけを頼りにしている人」はたったの2割?シニア世代の貯蓄・年金事情
【年代別】平均貯蓄額はいくら?
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の貯蓄割合は下記のとおりです。 平均値は貯蓄額が極端に多い人がいる場合に偏る傾向があるため、より実態に近いシニア世代の貯蓄額がしりたい方は中央値を参考にすることをおすすめします。 中央値は「1677万円」となっており、6割以上の世帯において、貯蓄1000万円以上の老後資金を準備できていることがわかります。 一方で、貯蓄額が500万円未満の世帯が全体の2割を占めており、貯蓄ができている世帯とできていない世帯で二極化している現状もみてとれます。 とはいえ、老後にある程度の資金が必要な理由は「収入(年金)だけで生活していくのが難しいから」であり、生活費を収入だけでまかなえれば、貯蓄が少なくても生活していけるでしょう。 では、老後に受け取れる年金収入はどのくらいなのでしょうか。 次章にて、国民年金・厚生年金それぞれの平均月額を確認していきましょう。
国民年金・厚生年金の平均月額はいくら?
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金・厚生年金の平均月額は下記のとおりです。 ●【国民年金】 ・男女全体平均月額:5万6316円 ・男性平均月額:5万8798円 ・女性平均月額:5万4426円 ●【厚生年金(国民年金を含む)】 ・男女全体平均月額:14万3973円 ・男性平均月額:16万3875円 ・女性平均月額:10万4878円 国民年金は保険料が一律であるため年金額に個人差があまり出にくいのが特徴で、平均額は全体・男女ともに約5万円となっています。 一方で、厚生年金は現役時代の年収・加入期間などによって年金額が変わるため、個人差が大きいのが特徴です。 冒頭で紹介した65歳以上の消費支出と照らし合わせると、国民年金だけで生活費をまかなうのはハードルが高く、厚生年金でもギリギリになることが予想されます。 上記をふまえると、やはりある程度の老後資金の準備は、老後生活の安心材料になり得るといえるでしょう。