にわかに焦点となった、所得税の減税ですが、岸田首相が打ち出した背景にはどういった狙いがあるのでしょうか？　中継です。 　　　　　　　◇ 首相の周辺は、このタイミングで打ち出した狙いについて、「臨時国会は物価高対策、中でも所得税の減税を目玉にするというメッセージを出すため」と話しているんです。 しかし、この所得税減税には野党だけでなく、与党内からも厳しい声が相次いでいます。 ある自民党議員は「所得税減税は低所得者には効果がない」と指摘しているほか、別の閣僚経験者は「増税と減税を一緒にやったことはかつてないだろう」と話しています。さらに、岸田首相の側近議員からも「防衛増税と言っているのに、所得税を減税するのは説明がつかないのではないか」と急な打ち出しを心配していました。 ――減税を「目玉にする」ということは岸田首相は、衆議院の解散・総選挙を考えているということですか？ そういう見方もあるんです。ある自民党幹部は、「減税を言い出したのは間違いなく解散総選挙を意識してるから」と話し、“減税は解散の布石”との見方を示しています。 物価高に負担を感じる人が多い中、減税を打ち出すことで今の「低支持率」にあえぐ現状を打開しようとしているというわけです。 ただ、先ほどから取り上げているように、この所得税減税には与党内からでさえ否定的な声が上がっています。 減税自体がうまくまとまるかはわからず、局面の打開につながるかは見通せていません。 しかも、22日には衆参の補欠選挙が投開票されます。 自民党内には「仮に2敗することがあれば、年内解散なんて到底できない」との声も上がっています。 この国会は首相の政権運営が問われる、厳しい国会になりそうです。