福島県富岡町の日常を町民目線で発信 町公式インスタの企画「町民カメラ」が人気
福島県富岡町の公式インスタグラム「とみおカモン」の企画「町民カメラ」が人気を集めている。町民や町に関わる人がインスタントカメラで町内のお気に入りの風景や日常の景色を撮影し、投稿する。撮影者が次の町民カメラマンを指名してカメラを回していく。行政の情報が届きにくい若年層への情報発信や東京電力福島第1原発事故に伴い、避難が続く町民へ古里の復興を届ける役割を担っている。 「とみおカモン」は昨年7月に立ち上がった。町から委託を受けた町内の合同会社knot(ノット)が運営する。雑紙風のつくりを意識し、町の交流サイト(SNS)を使った情報発信で、課題としていた若年層女性への反響も徐々に広がり、交流・関係人口の拡大や移住に向けたきっかけづくりの役割を果たしているという。 町民カメラには、これまで16人の町民カメラマンが撮影した写真を投稿した。さまざまな目線から見た富岡町の日常風景は富岡を知らない人には新鮮さを、出身者には懐かしさを届けている。「昔よく行ってた場所だ」などの反応も多い。
カメラが回ってきた町のサロン&カラオケ「ミュージック サライ」の遠藤久仁子さんは自宅付近の植物や思い出深い神社などを撮影した。「うまく撮れているか不安だけど、思い出の場所を楽しく回れた」と振り返った。 ノット代表の遠藤真耶さんは「懐かしい風景やこんなとこあったよねと感じてもらいたい。町民と一緒に作り上げていくように続けていきたい」と話した。