中国は対抗措置で揺さぶり、EUには苦い過去 EV追加関税巡り神経戦
EU側では、ドイツのハーベック経済相が22日、中国訪問中に高官と会談し、「(追加関税は)懲罰的な関税ではない」と説明。対話による問題解決を求める中国に同調する考えを示した。
ただ、EU側には中国に妥協したことによる苦い経験がある。2013年、EUは中国製太陽光パネルに反ダンピング課税をかけようとしたが、中国が報復を表明し、EUは価格交渉を受け入れた。最大の貿易相手である中国との協調を重視した当時のドイツのメルケル首相が対立激化の回避に動いたためだった。
ただ、課税導入を見送った結果、太陽光パネルの値下がりが止まらず、EUの一部パネルメーカーが経営危機に陥った。EU側では近年、中国への警戒が高まっていることもあり、今のところ安易に軟化する姿勢はみられない。