元市役所職員のルーキーは新球団のエース 初めて150kmを出したスピードガンの写真を今も大切に
市役所職員からプロ入りしたルーキーが、ウエスタン・リーグに参加している「くふうハヤテ」をけん引している。甲子園出場などの華やかな球歴はないが、ウエイトトレーニングに励み最速は150kmに到達。初めて150kmを出した時のスピードガンの写真は、積み重ねた努力が実った証として今も大切にしている。 【関連】かつては日本一に貢献も移籍先で死球きっかけに戦力外通告 “1球”に泣いた福田秀平が新設球団で若手に伝えたいこと
“歴史的初勝利”の立役者
2024年からプロ野球のウエスタンリーグに参入している「くふうハヤテ ベンチャーズ静岡」。7月8日時点で最下位だが希望の光をもたらす投手がいる。 北海道江別市出身の早川太貴投手(24)だ。 最速150kmのストレートと6種類の変化球を操り、3月の阪神戦では先発で7回を無失点に抑え、球団の“歴史的初勝利”の立役者となった。
早川投手は「(高校では)北海道の中でも全然勝ち上がれなくて、甲子園というよりは全道大会に出ることを目標にやっていたけど、それも叶わず、プロは厳しいのかなと思ったことはあった」と振り返る。 出身地の北海道では中学まで軟式、高校では硬式野球とごく一般的な野球少年だった。
それが大学時代に転機が訪れる。 ウエイトトレーニングを始めて体重が10kg増えると、高校時代に130kmほどだった球速が147kmになった。自らの進化に手応えを感じ、野球に対する気持ちが変化したという。 くふうハヤテ・早川太貴 投手: 小学生から続けてきたことなので、やれるところまでやりたいという気持ちがすごく大きくて。大学野球までやって球速も伸びて、大学で辞めようと思ったけど成長できたので
早朝練習の後に市役所勤務
「野球は大学まで」と思っていた彼のキャリアは続く。 しかし、決意の先には厳しい日々が待っていた。 大学卒業後は地元・北海道の北広島市役所で公務員として働きながらクラブチームに所属。午前3時に起床し、4時半から約2時間練習して、その後に市役所の仕事が始まる。 早川投手は「クラブチームの中で自分ができることをやろうと思って、まずは150kmを投げたいという思いでした。結構大変で、仕事中の昼間の時間がきつくて、毎日眠たい感じでした」と話す。